実践+発信

アドビとの連携授業「グラフィックデザイン演習」を今年も実施

2019.6.12

2019年6月1日、アドビ システムズ 株式会社(以下、アドビ)とCoSTEPの連携授業「グラフィックデザイン演習」(本科生向け)が北海道大学高等教育推進機構(N281教室)で開催され、21名の本科受講生が参加しました。

アドビからは、名久井 舞子さん(アドビ マーケティング本部 Creative Cloud ビジネスマーケット部インストラクター)を講師としてお招きし、CoSTEPからは朴 炫貞、池田 貴子、早岡 英介が担当しました。また、1年間アドビソフトを使ってグラフィックデザインを学んだ修了生(13期修了 宇都 幸那さん、13期修了 佐藤 奈波さん、14期修了 樫村 尚宏さん)にTAとして入ってもらいました。

科学技術コミュニケーションにおいてより効果的にメッセージを伝えるためには、グラフィックデザインスキルが必須ですが、デザイン科を持たない北大では本格的なデザインスキルを学ぶ機会はめったにありません。そこで、科学技術コミュニケーションにおけるデザインの考え方と、アドビソフトの基礎をしっかり学べるような場として、この演習を開催しました。昨年度の好評を受けて、今回で2度目となります。

(アドビソフトの基礎を実演を交えてレクチャーする名久井さん)

演習前半はPhotoshopとIllustratorの操作方法に関して名久井さんからレクチャーをいただき(2時間程度)、後半では実際に作品を制作するワーク(3時間半程度)を行ないました。

まずは、Photoshopを使って写真や絵などの画像を加工する方法について学びました。写真の一部分の色を変えるような基本的な操作から、人工知能によって写真に自動的に適当な効果を施す新しい機能など、幅広く教えていただきました。

続いて、Illustratorについて教えていただきました。Photoshopは画像の加工に特化したソフトですが、Illustratorは文字や画像のレイアウトに向いています。それぞれのソフトが扱うことのできるデータの質の違いや活用のポイントを、実際に手を動かしながら学びました。

昼休憩を挟み、午後はA5サイズ表裏の自己紹介カードを作成する「カタテガタリ」ワークを行ないました。自分の「手」と自分を象徴する「物」を撮影し、ポイントとなる部分のみをカラーで、他の部分をモノクロで表現することが条件です。キャッチコピーと自己紹介文は事前課題として受講生に予め考えてきてもらいました。

昼休みをはさんで6時間以上に及ぶ演習となりましたが、受講生たちは互いに刺激を受け合いながら各々の創造性を発揮し、楽しみながら参加していました。アドビソフトウェアの基礎概念を体系立てて体験することができ、初心者にとっても熟練者にとっても、多くの実践的な学びを得ることができました。また、伝えたいメッセージを表現するのに適したモチーフを選ぶ必要があること、そしてフォントや色の持つ意味についてじっくりと考える良い機会となりました。

デザインとは、発信者のメッセージを受け手に伝えるための戦略であり設計です。科学技術コミュニケーターとして必要なデザインスキルの重要性を理解し体得するきっかけの場として、CoSTEPは今後もアドビと連携して授業を開発していきたいと考えています。