CoSTEPは、主に遠隔地の受講生に対して e-learning で講義を受講でき、また3日間のスクーリングを行う、選科コースを設けています。8月23日から25日にかけて、北海道大学札幌キャンパスで、サイエンスイベントを企画・実施するスキルを学ぶ、選科の集中演習Aが行われました。全国に散らばっている受講生が、顔を集める貴重な機会です。4つのチームに分かれた受講生が、最終日の25日に「CoSTEP ミニサイエンスイベント 2019」として、それぞれのイベントを実施しました。
(集中演習初日の記念撮影)
まずはチーム「どっちもどっち?」(大杉 遥さん、小名木 陽子さん、木村 成介さん、高橋 さおりさん、渡邉 拓巳さん)による「どちらにしようかな? 〜未来のお肉から考えるトランスサイエンス〜」です。培養肉という新しい技術を軸に、自身の立場が変わった際に、培養肉に対する考えが変化するかどうか、来場者同士で対話を行いました。また、培養肉をイメージしやすいように、実験器具の中にドライソーセージを入れるなど、工夫が見られました。
続いてはチーム「NAR(なる)」(朝日 冴佳さん、今田 淑乃さん、團 優菜さん、山田 洋平さん、松元 理沙さん)による「大人の観察講座 『みるきくさわる』 第2回 音の観察」。五感それぞれを各回のテーマに据えた全5回の連続講座の2回目という設定で、聴覚を用いた観察についてイベントが進められました。モスキート音やモンゴルの伝統歌唱技法ホーミーを例に、現象を捉える際には主観によるズレが生じてしまうこと、だからこそ観察には客観性を伴う記録方法が重要であることが語られました。
科学技術と人をつなげるためのワークショップ「人工知能MIRAIがやってきた」は、「A1」チーム(小川 美幸さん、小林 明日美さん、須田 順子さん、竹中 康さん、福井 萌さん)によるイベントです。2050年、人工知能が発達し「凶悪犯罪を起こす可能性がある人」を90%の精度で予測できるようになった未来。来場者は、人工知能MIRAIに予測された凶悪犯罪者予備軍を強制的に隔離する「凶悪犯罪予防法」を可決するか否か、それぞれランダムに割り当てられた人格設定になりきり、話し合いました。
ラストの「みんなでつくる かがくなうた」は、チーム「MWS」(伊木 貴子さん、大岡 明さん、小沼 嘉乃さん、澤田 莉沙さん、鈴木 真子さん)のイベントです。童謡「おなかのへるうた」はその歌詞に、疑問、仮説、反証を含んでいるとして、来場者で対話し合い、皆で替え歌の歌詞を作りました。テーマは腸内細菌です。最後は皆で作成した歌詞を合唱。会場に楽しげな歌声が響きました。
これらのサイエンスイベントは、初めて出会った仲間との3日間の共同作業のすえに完成した、汗と涙の結晶と言えます。このタイトなスケジュールの集中演習を乗り越えることで、「どんな企画でも実施できる」という自信をつけることができます。
(それぞれのイベントのチラシも作成します)
後日それぞれの開催報告が掲載されます。3日間の集中演習で受講生の皆さんは、どんな目的を立て、どんな工夫をして、どんな内容のイベントを企画して、何を学んだのでしょうか。その詳細は公開されたそれぞれのイベントレポートでご確認ください。
(集中演習後の記念撮影)