北ソウル美術館の全景(ウェブサイト)
韓国のソウル北ソウル美術館で、学芸力量強化ワークショップの一環でスタッフの朴炫貞が講師を勤めました。ソウル市には地域ごとに7つの市立美術館があり、2013年に開館した以来北ソウル美術館は地域コミュニティー密着型の役割を果たしています。9月2日11:30から約90分間、「つなぐことと問いかけの試みー北海道大学 CoSTEPの事例を中心にー」というタイトルで、科学と多分野をつなぐプロジェクトの実践研究や、科学技術コミュニケーターの教育、その内ファシリテーションについて話をし、現場で実践している学芸員からの質疑応答を行いました。北ソウル美術館学芸員15名が参加し、美術館という場所の特徴から起きる出来事や、迷いや大変なところまで話し合いました。
朴の作品を紹介してから、CoSTEPの事例の中でもアーティストが関わって開催したイベントを中心に紹介しました。子どもの絵をアニメーションとしてつくるコドモーションプロジェクトとコラボした2015年のサイエンスパーク「ごはんはカラダを通ってどこへ行く?」、吹き出し型のバルーンを用いて参加型作品を展開する松村忠寿さんと開催した2017年のサイエンスアゴラ「Science QAmmunication」、アーティスト阿部乳坊さんと開催した2018年の「差の湯」、北海道150年を記念に昔の写真を特別な装置を通して見る「トキトキイロイロ」、森というテーマについて科学者とアーティストがそれぞれの視点を共有し、作品をつくる「研究者とクリエイター」、2019年から始まったアーティストの滞在制作プロジェクト「KitA」まで、幅広く紹介し、意見交換をしました。
特に、美術館の中でできる科学技術コミュニケーションの試み、領域を超えるプロジェクトの生成、間をつなぐ人々の役割について話し合いました。今後につながるような貴重な時間になったかと思います。