実践+発信

選科A活動報告「みんなでつくるかがくのうた」

2019.10.17

選科A 3班 「MWS」
伊木 貴子・大岡 明・小沼 嘉乃・澤田 莉沙・鈴木 真子

日常生活のなかで身近な現象に“なぜ?” “どうして?” って思うこと、ありますか?

特に子どもは、身の回りの物や人、現象に素朴な疑問を持っています。
そして、そこから自由に発想を膨らませて仮説を立てます。

―どうしておなかが減るんだろう?

―ケンカをすると減るのかな?

私たちは、この 疑問→仮説 の過程こそ、すべての科学のはじまりだと考えました。
そして疑問→仮説を、科学のワクワクを伝える新たな手法の一つとして提案します。

音楽を利用して疑問を持ち、仮説を立てることの楽しさを体感するという手法を持ち帰って、科学技術コミュニケーターの各々のフィールドで用いてほしい。

そんな思いから、今回の対象は、科学のワクワクを伝えたいと考えている科学技術コミュニケーター。目標はイベントを体感し、仮説立ての重要性を知ることやこの手法を広めたいと思う気持ちを持ってもらうこととしました。

つまり、最終的な対象は、全ての人。
科学って言葉だけで拒否反応が出ちゃうような人々にも気軽に参加してもらえるかなぁなんて思いながら。

まず、童謡「おなかのへるうた」では、主人公が「どうして?」と疑問をもち、その仮説を立てていることについてお話しました。

本イベントでは“腸内細菌”について「どうしておなかにいるのかな」「どうして増減するのかな」という疑問をこちらで設定し、グループワークで参加者に仮説を考えていただきまた。そして、おなかのへるうたのメロディにのせて、参加者みんなでわいわい歌いました。

(司会:澤田 莉沙)

(ファリシテーター:鈴木 真子)

グループワークは大盛況で面白い仮説がたくさん出てきました。

♪どうしておなかにいるのかな~ 『いごこちいいからいるのかな』
                『パクチー食べなきゃだめかな』
♪どうして増減するのかな~    『薬を飲むとへるのかな』
                『うんちを出したらへるのかな』

考えてもらった仮説は、大学院で腸内細菌について研究しているメンバーが解説しました。

(解説:小沼 嘉乃)

イベントアンケートからは、ワークショップの満足度は高く、概ね楽しんでもらえたことが分かりました。「疑問を持つことは大切か」「本イベントを人に勧めたいか」という質問に対しては、8割の人から前向きな回答を得ました。

また、「歌うと記憶に残りやすいと思う」「疑問を立てる時は、子どもの気持ちになって考えると良いことに気づいた」といった意見も頂きました。多くの人が知っている音楽を入り口にしたことで、科学のワクワクを伝えやすくなったのではないかと思います。また、小中学生や親子を対象とした科学的態度を楽しく伝えることのできるイベントへと応用できると考えました。

初めましての人とサイエンスイベントを企画・実施するという濃密な3日間。
その中で、私たちが学んだことは役割分担、時間管理、リハーサルの重要性です。

◎役割分担

性別、年齢、職業も様々なメンバーで構築されるチームを適切に機能させるためには、目的をはっきりさせた上で、一人ひとりに適切な仕事を割り振ることが必要。チームメンバーの雰囲気によって、自分のポジションを見極めることがとても大事。また、メンバーだけではなく、プロジェクト全体を見回すことが大切だと学びました。

◎目的・目標の明確化と時間管理

目的がはっきりしないと一度立てた計画を修正する際に判断基準があいまいになってしまう。やるべきことを明確化し、優先順位をつけて、自身の行動を計画していくことが時間管理のポイントであると感じました。

◎リハーサルの重要性

限られた時間の中で出来るだけ内容の濃いものにするためには、しっかりと作戦を立ててリハーサルに臨むことが必要。通しリハーサルで全体の時間を把握したり、最終仕上げをすることも重要だと実感しました。しかし、ギリギリまで悩むことも企画に深みを出すためには重要だとヘトヘトになってから感じたりもしました。

本イベントへの参加者、COSTEPの関係者の皆様、本当にありがとうございました。
一人でも欠けたらできなかったであろう私たちらしいイベントになりました。
素敵なチームメンバーに恵まれて最高でした。