実践+発信

SF創作共通演習を実施しました

2022.2.7

2021年11月6日(土)・27日(土)にSF創作共通実習を行ない、本日(2022年2月7日)完成した作品を本サイトにて公開しました。共通実習では、SFプロトタイピングという方法を用いてSF小説を創作しました。SFプロトタイピングとは「サイエンスフィクション的な発想を元に、まだ実現していないヴィジョンの試作品=プロトタイプを作ることで、他者と未来像を議論・共有するためのメソッド 」( 宮本道人監修、宮本道人、難波優輝、大澤博隆編著『 SF プロトタイピング』早川書房、 2020 年、 3 頁)です。これまで、企業や大学、あるいはサイエンスコミュニケーションの対話を誘発するメソッドとして利用されてきました。完成したSF作品は本ページの末尾にあるリンクからご覧になれます。

今回の共通実習では、SFプロトタイパーの難波優輝さん、そして、SF作家の草野原々さんを招いて、SFプロトタイピングを実践しました。その後、ライティング・編集実習のメンバーを中心に、アーティストの久野志乃さんと、制作したSF作品のヴィジュアルイメージをつくるワークショップを実施しました。以下で順に紹介します。

まず、CoSTEP17期本科ライティング・編集実習の受講生6名ならびに選科の受講生2名が11月6日にSF創作共通実習にてSFプロトタイピングのワークショップに参加しました。科学技術コミュニケーションの未来像を描く作品をつくることをテーマに、難波さんのファシリテートによるワークショップ形式でプロトタイピングは進んでいきました。「問いを作るワークショップ」「世界観ワークショップ」「プロットワークショップ」といったワークを通じて受講生の提案するさまざまなアイディアを一つの物語として組み合わせていきました。

そして、ワークショップを通じて出来上がった物語の骨格をもとに、SF作家の草野さんに、三週間ほどかけて第一稿を執筆してもらいました。その後、11月27日に草野さんの執筆した第一稿をもとに本科ライティング・編集実習メンバー6名が「批評ワークショップ」を行ないました。

以上のワークショップを経て草野さんに「天下界への果てしなき世界受肉」という作品を執筆してもらいました。そして、11月27日に草野さんの執筆した作品をもとに本科ライティング・編集実習メンバー6名が、アーティストの久野志乃さんと一緒に、ヴィジュアルイメージを作成するワークショップを行ないました。

物語の理解を久野さんのファシリテートをもとに深めながらヴィジュアルイメージを組み立てていきました。自分のイメージしているオブジェクトの形や色を写真を持参して共有するワークなど、物語を通じて自分の頭の中にあるイメージを伝えていくワークを実践しました。完成した作品が気になる方はぜひ作品本編をご覧ください。制作した作品は以下のリンクより読めます(「天下界への果てしなき世界受肉」)。TwitterやFacebookなどのSNSでの共有なども大歓迎です!