2022年2月6日に開催された、討論劇&評決ワークショップ「生き物の運命を握る鍵を手に入れたとき、あなたはどうする?〜討論劇で問うジーンドライブの是非〜」のチラシデザイン報告レポートです。チラシデザインに挑んだのは、本科・グラフィックデザイン実習を受講している高柳喬典さんと狩野芳子さんです。今回は制作者のお一人、高柳さんの報告レポートをお届けします。
制作者:高柳喬典(2021年度 本科/歯学部5年生)・狩野芳子(2021年度 本科/社会人)
制作年月:2021年 11月〜 2022年 2月
Gene Drive チラシ制作レポート
イメージ化する
今回私がチラシデザインを担当した討論劇のタイトルは「生き物の運命を握る鍵を手に入れた時、あなたはどうする? ~討論劇で問うジーンドライブの是非~」です。10数年先の未来の日本において、感染症の原因とされている蚊をゲノム編集を応用したジーンドライブを用いて根絶するべきか否か市民法廷に視聴者も参加することで私たちの未来を探っていきます。ジーンドライブという技術がもたらす影響や社会に実装するとはどういうことなのかを伝えたい。テーマを理解する段階で、視覚的な理解にも視野を広げたことで、科学技術そのものにフォーカスするだけではなく、多様性ってなんだったんだろうくらいに引いた視点、大きな目線での表現ができたのではないかと思います。討論劇は、最後には0か1に決まってしまいます。しかし、彼らが問いかけているはそこに至るまでのプロセスという部分をどの様にしたら表現できるのか、うまく伝わるのか、ギリギリまで悩みました。
モチーフと手法
チラシデザインでは、モチーフによる表現と手法による表現と二種類で方向性の発散を行いました。ジーンドライブというその技術を使用する者の道徳心を映し出すような問いかけと討論劇であることから、シリアスさを踏まえ、直接的な表現になりすぎないようなイメージで制作していきました。
イメージを形にするために、自然選択による多様性を一本の線を次の人真似ることを繰り返し、最終的には線ではなくなってしまうことで表現したアートに着想を得ました。討論劇を構成する五人がそれぞれ、正確にひかれた線を異なる環境で真似をして引きます。それを重ね合わせることで意見を重ねていくような印象を与えました。
チラシデザインでの学び
実際にチラシデザインをすることで、私はこれを表現したいという想いよりもいろんな想いの隙間や合間を見てノイズが出ないように整理することなのかなと思いました。
今回は視覚的、文字的理解を試みましたが、音や味でも理解しようとするとどう解釈できるのか理解の種類を増やすとより多くの価値観の中立的なノイズの少ない作品が制作できるような気がしました。
グラフィックデザイン実習のみなさんや対話の場創造実習の皆さんの温かいサポートのおかげで完成まで辿り着くことができました。ありがとうございました。