2023年10月7日(土)・8日(日)・9日(月)にCoSTEP19期選科C集中演習が行われました。選科Cはグラフィックに特化した集中演習で、CoSTEPで初めての開催となります。全国各地から集まった受講生21人が、自分が現在取り組んでいる科学技術コミュニケーションについての活動を端的に要約し、視覚的に表現しました。
集中演習は、グラフィックを専門とするCoSTEPスタッフによる全体レクチャーと、3班に分かれてのグループワークとピアレビューで進められました。3班は「奥本班」「正三班」「道人班」という班名で、それぞれ奥本素子(CoSTEP准教授)、古澤正三(CoSTEP特任講師)、宮本道人(CoSTEP特任助教)が班担当となり受講生一人一人の進捗を確認します。一方、グラフィック指導担当教員として大内田美沙紀(CoSTEP特任助教)、池田 貴子(CoSTEP講師)、朴 炫貞(CoSTEP特任講師)が班を跨いでの制作指導と全体レクチャーを行いました。
【1日目】
今回各受講生が制作するインフォグラフィックは、オンラインツール「Canva」を使って制作します。1日目はこのCanvaに慣れることが目標です。まずは、アイスブレイクも兼ね、このCanvaを使った自己紹介インフォグラフィックを制作しました。
午後からは、朴特任講師からインフォグラフィックの意義と幅広い活用例を紹介するレクチャーがありました。何が良いデザインかを知るには、既に存在する良いデザインを浴びるように見ることが重要です。班に分かれて本制作に入る前に、まずは良い事例をたくさん見て頭に焼き付けてもらいました。
レクチャーが終わると、いよいよ班に分かれてグループワークとピアレビューが開始されます。一日目はグラフィック制作よりまずは表現したいことを文章で書き起こすことで具体化することに時間を使います。グループ内で発表し合うことで、自分が本当に表現したいことを見直しました。この段階で客観的に何を作りたいか気付く受講生が多くいました。
【2日目】
2日目からは具体的なグラフィック制作スキルをレクチャーしていきます。午前中は池田講師によるデザインの文法についてのレクチャーがあり、グループワークを挟んだ後は大内田特任助教によるグラフィカルアブストラクトの制作フローの話がありました。この頃には受講生は制作途中の自分の成果物が手元にあり、何が足りないのか考えながらレクチャーを聞くことが出来ます。
制作の肝となる2日目。この日のうちに8割方完成を目指し、受講生は班でのピアレビューと個人での制作を繰り返して悪戦苦闘します。迷ったときはグラフィック指導担当教員がマンツーマンで対応し、アドバイスをしながら進めていきました。
【3日目】
そしていよいよ最終日、この日は受講生一人一人が3日間を通して制作した成果物を発表します。制作の変遷の話も含み、合計2時間にも渡る聞き応えのある発表会となりましたが、全員がその成果を発表することができました!
【振り返り】
選科Cはインフォグラフィックを制作する集中演習ということで、振り返りもフィッシュボーンをモチーフとしたインフォグラフィックを用いて、1日の終わりに全員で行いました。その名も「選科C(シー)を泳ぐ魚」。背骨を境に、上半分に「まなび」、下半分に「なやみ」の項目を付箋に貼って魚を肉付けていきます。
最初は骨だけだった魚が、最終日にはカラフルな鱗が付きました!よく見ると頭に近い3日目の部位は「まなび」側の上側の方により付箋が貼られています。集中演習を通して受講生一人一人が得たものが視覚化できる、見ていて楽しい振り返りになりました。
今回初めての実施となった選科C集中演習。実験的な部分もありましたが、なんとか無事終了し、参加した受講生全員が成果物を残すことが出来ました。集中演習は終わりましたが、CoSTEPの学びはこれでは終わりません。この集中演習の経験を今後の講義と修了式に活かし、CoSTEP修了後はそれぞれのサイエンスコミュニケーション活動で身につけたスキルを役に立ててもらえればと思います。