札幌国際芸術祭 2024(以下SIAF)のイベントとして、2024年2月17~18日の2日間、S.I.D.E.(SIAFラボ/北海道大学 CoSTEP)プロジェクトが、北海道大学 工学研究院 VRシアターとエンレイソウで、VRの展示とシンポジウム「Symposium: Virtual Grand Hotel」を開催しました。多くのみなさんにお越しいただきました。
VR exhibition: Virtual IEIE(去年鴎島で)
《Island Eye Island Ear》(IEIE)は、50年前の1974年にデーヴィッド・チュードア、中谷芙二子、ジャクリーン・モニエらがE.A.T.のサポートのもとで構想したもので、実現には至らなかった孤島を丸ごと楽器化するという計画です。S.I.D.E. では、2022年から続けてきたIEIEの実現に向けた取り組みの成果として、2023年11月に江差町・鴎島で実施したテストラン(予行演習)の記録を構成しなおしたVR作品《Virtual IEIE(去年鴎島で)》を展示しました。現地で用いた指向性スピーカーを含め、特集な音を、広がるVRシアターで映像と共に体験できるような展示でした。
VRシアターの周辺には、今までのトークやシンポジウム、書いてきた文章、参考にした資料、50年前のIEIEの構想が書かれた書類、実験してきた島々の立体まで、さまざまな資料が展示され、閲覧できるようになっていました。
Symposium: Virtual Grand Hotel
VRシアターでの展示と合わせて、2月17日(土) 15時から、北大エンレイソウでシンポジウム「ヴァーチュアルグランドホテル」を開催しました。今までプロジェクトに関わってきた色々な人々が入れ替わり、もしくは居続けながら話を重ねていきました。北大からは、「低温環境における実験について 」で古川義純(低温科学研究所 名誉教授)さん、「研究林における実験について」で中村誠宏(北方生物圏フィールド科学センター森林圏ステーション 教授、苫小牧研究林長)さん、「野生との対峙」で池田貴子(CoSTEP 講師)さんが登壇しました。
撮影:門間友佑 ・Photo by MOMMA Yusuke、CoSTEP