「科学についてより多くの人に興味を持ってもらいたい、まなびの場を広げたい!」 その方法を学ぼうと受講したCoSTEPでの1年間の活動から、「私自身、科学や技術について知らない事ばかり。でも様々な分野の仲間と出会えたことや、いろいろな手法を学んだことで、私自身の世界も『ふあっー』と広がった」と感じました。
科学技術コミュニケーションという言葉を知ったのは、3年前。レポートを書くため図書館で見つけた「はじめよう!科学技術コミュニケーション」という本がきっかけです。科学的な知識だけでなく、コミュニケーションそのものに焦点を当てたその本を見て、「あ! これだ」と思いました。その後、アルバイト先の博物館でトークの素敵な職員さんに、「CoSTEPおもしろいですよ、私も受講していました〜」と伺ったこともあり、受講を決めました。
CoSTEPでは、伝え方、場づくり、盛り上げるツール、活躍中の方のお話などなど、講義と実習などを通して科学技術コミュニケーションに関するあらゆることを学べましたが、中でも私が一番良かったと思うのは「人とのつながり」です。選科Bライティング演習では、遠方から、また社会人の受講生も多く、インタビュー記事作成では「沖縄でのサンゴ研究」について伺うなど、本当にいろいろな人たちと出会えました。
選択実習のトランスサイエンス実習(科学と社会の関わるテーマを扱う)では、イベントを作り上げる中で、普段よく考えたことのなかった「活断層」の問題についてかなり突っ込んだところまで考えることができましたが、これもメンバーに地質の専門家がいたからこそです。バックグラウンドの異なる人が集まるのでいろいろなアイディアが出ますし、様々な分野の人たちと一緒に一つのものを作り上げていく感じがとても楽しい経験でした。
修了した今がスタート地点と感じています。この1年の経験と、出会えた人たちは、今後も私の強い味方になってくれそうです。
釜野靖子
北海道大学 環境科学院 生物圏科学専攻 修士課程