実践+発信

科学する楽しさを共有するために

2006.3.31

中学生の頃から星が好きで夜空を眺める日々。趣味がこうじた天文普及で30年、気がつけば五十路に突入していました。ところが、好きなことだけの毎日では、井の中の蛙になっていないかという思いが頭の片隅にありました。「別な世界観もあるのでは?」という思いが強くなっていた時にCoSTEPの開講を知って、「これだ!」と応募し、幸い、この歳でキャンパス生活をおくる機会をもらいました。授業はどの講義も新鮮で、うなずくことばかり。演習では文章を書く、読み解く力が回を追うごとに要領を得、いくつになっても勉強の思いでした。ラジオ番組の制作実習では、「見上げてごらん夜の星を」のコーナーを担当。原稿作成に収録に、仕事でもこんなに打ち込んだことが無いと自分でも呆れるほど夢中になりました。科学をやさしく伝えるための科学技術コミュニケーション。それに必要なスキルは、星に詳しくなるということだけではなく、いかに科学する楽しさを伝え、星を観る感動を伝える人たちと共に分かち合えるかというものでした。共に学んだ受講生も老若男女十人十色、意見や価値観の多様性も思い知らされました。そんな仲間の存在も今後の活動の励みになりそうです。コミュニケーターとしての自分が、おぼろげながら見えてきました。

渡辺和郎
アマチュア天文家