実践+発信

気象サイエンスカフェ職場研修にさっそく応用

2010.2.25

​ そもそも私がCoSTEPを受講しようと思ったのは、本の執筆やブログ・ホームページを通して気象に関する科学技術コミュニケーション活動を行っていたためでした。また私の職場は気象庁ですが、予報官は空を見て予報を考えていれば良い存在ではなく、自治体や他官庁の防災関係者に対して気象リスクを伝えるコミュニケーターでなければならないと考えていました。
CoSTEPの講義では、最近の科学技術についての基礎的な知識を得ることができましたし、何よりも、リスクコミュニケーションについて日頃感覚的に分かっていたことを理論付けることができたのは大きな収穫でした。また、地震防災についても、その講義の方法は大変参考になりました。夏期集中演習で行ったインタビュー実習や、ブレーンストーミングとKJ 法を組み合わせて考えを整理し、その場で発表する演習は非常に実用的でした。
サイエンスカフェは、初めて見た時に「この手法は使える」と思いました。修了直前の2007 年3 月11日にはCoSTEPの教員や受講生、応援団の方々にお手伝いいただき、札幌管区気象台と地元の気象予報士会の共催で「気象サイエンスカフェ札幌」を開催することができました。今後も、同様な形態でサイエンスカフェを開催する予定です。また、個人的なブログの更新や新たな本の執筆にもCoSTEPで学んだことは生きてくるでしょう。
さらに職場では、防災危機管理研修においてリスクコミュニケーションの講義を行ったほか、CoSTEPで学んだ手法を応用したコミュニケーション演習を実施しています。また、サイエンスカフェに携わった若手職員がCoSTEPの講義に興味を持っているようです。
このように、1年という短い期間でしたが、集中して聴いた講義と演習は、私の周辺で既に実を結びつつあります。今後も、CoSTEPで学んだことを忘れず、科学技術コミュニケーション活動を続けて行きたいと思っています。

選科生修了 三浦郁夫
気象庁総務部航空気象管理官付課長補佐