実践+発信

クロスカップリング!

2011.3.31

CoSTEPでの学びを一言で表すなら、異なるもの同士を結び付けて新しい何かを創るという意味で「クロスカップリング反応」がふさわしい。授業は毎回異なる分野の講師陣。通常では聞くチャンスのない話や、考えたこともない視点から刺激的な話の連続であった。

「科学館通信」企画・制作実習として、5人の受講生で作り上げた冊子はその名も『くろすかっぷりんぐ』。科学に関心の薄い人たちを科学や科学館と結び付けることを目的とした。年代も興味関心も違う5人が、先生方や科学館、デザイナーと結び付いた結果、私たちの個性を前面に押し出しながらも、実習開始時には思いもよらなかったものが生まれた。(http://costep.open-ed.hokudai.ac.jp/past_costep/contents/article/407/)そして何よりも、私たちがお互いの刺激によって反応し、自らが日々変化していくことが実感できる場となった。

また、有志が集まって行った課外活動も忘れられない思い出だ。「自転車をテーマに何かしよう」「自転車と車と地下鉄で実際に競争してみよう」「サイエンスカフェの形式でやろう」「選科Aの歓迎会も兼ねてジンパ(ジンギスカン・パーティ)と組み合わせよう」。自主的に集まった仲間たちのアイデアが連鎖反応を起こして、企画は思いもしない方向へ進む。熱い想いを核にして、仲間同士のつながりがうまく反応することで大きなパワーが生まれることを実感した。

この一年、異分野の話題や多様な人間が混ざり合う中で、自分もその一員として、時には大きく変化し、時には触媒としてまわりの変化を促してきた。なんと刺激的で変化に富んだ一年であったことか。こんなオジサンでも、いい仲間と巡り会えればクロスカップリングできる。そう思えるCoSTEPでの学びであった。

安倍 隆
学校法人電子開発学園 メディア教育センター