実践+発信

濃い時間を過ごした

2012.3.29

「こんなに刺激的な1年はなかった」。CoSTEPのプログラムを修了した今、思うことです。こう言えるのもCoSTEPを通じた多様な人との出会いや、ふだんの生活ではできない制作活動に携わることができたからです。

受講のきっかけは学部時代の研究活動や発表を通して、伝える・伝わるということついて考えるようになったこと、そして、そんな時にCoSTEP受講生募集のポスターに出会ったことです。「研究活動と両立できるのか?」不安はありましたが、受講することで体験できるであろうワクワク感の方が勝り、応募しました。

私はデザインにも興味があったため、本科のグラフィックデザイン実習を希望しました。実習では、デザインの技術だけでなく、デザインの考え方、伝え方という本質的なことも学ぶことができました。担当の先生から教わった「デザインは絵や形で表わすまでのプロセスが大切」という言葉を、手を動かし、頭を使うことで実感しました。

また、魅力ある文章や冊子のレイアウトについても学びたいと思い、北海道大学の広報誌である『リテラポプリ』の制作にも携わりました。震災というテーマで集まった有志の人たちとともに制作していく中、企画段階で具体的に考えることの重要さ、取材に向かうための事前準備の大切さ、執筆の時の限られた文字数で伝えたいことを表現しなければならない厳しさなど、いろいろな体験ができました。制作は大変でしたが、完成したときの喜びや達成感は忘れ難い経験となりました。

修了した今、以前と変わったことはふだんの生活でものを見る視点が変わったということです。街中の広告でも、雑誌でも、自分が作るとしたらどのようにするだろうという視点で見るようになりました。受講期間で貴重な経験をさせてもらえたことでこの区切りを終わりではなくこれからの活動のスタートと考えています。

最後に大学院生という立場で受講した者から言えることは、とても魅力的な社会人の方々と出会えるということです。CoSTEPを受講し、将来こんな大人になりたい、という目標を持てたことは受講してよかったと思うことの1つです。

もちろん、研究活動との両立などで厳しい局面は何度かありました。しかし、1年前の決断は間違っていなかったと思っています。もし興味をお持ちの方がいれば一歩踏み出してみることをお勧めします。その一歩は、将来を変える一歩になると思います。

石井 翔太
北海道大学大学院 工学院修士課程