実践+発信

教えたくない……ほど、期待の何倍もの宝物を得た11

2012.3.29

 できれば、体験記を書きたくありません。受講希望者が増えずに自分が何度も受講できればと……。しかし、だれかが紹介して必ずバレてしまうのであきらめて書き始めることにします。

 私がCoSTEPを受講しようと思った理由は2つです。それは、職場に新しい形の広報手段を導入したかったこと、そしてもうひとつは個人で活動している「あさひかわサイエンスカフェ」に役立てるためサイエンスカフェの知識と手法を学びたかったことです。しかし、最初の目論見がいい意味で裏切られるのに、さほど時間はかかりませんでした。

 全27回の講義では、入念に構成されたテーマに沿って、それぞれの分野の第一線で活躍されている豪華な講師陣の、豊かな知識と経験、活動を背景にした最新の教えから、理論から実践まで深く学ぶことができ、何度も見返す価値のあるものでした。

夏に行われた集中演習では、2日半という短い期間で、ミニサイエンスイベントを作りあげるという、「本当に可能なのか?」と思う課題に取り組みました。しかし、実際に体験してみると、企画から準備、イベントの実施まで、さまざまなバックグラウンドのメンバーが驚くほど協力して達成することができたのです。イベント実施のメンバーは、バラバラな年代(親子ほど!)、学歴、経験を持つ、普通なら接点がなくてもおかしくない人たちです。しかし、互いに尊敬し合える仲間として、経験したことのない素晴らしいグループワークができました。

すっかりCoSTEPライフにハマっている時間は、科学技術コミュニケーションを広く深く学ぶだけでなく、自分の目的や課題を見つめる時間ともなりました。その結果、期待の何倍もの効果をもたらしてくれたのです。これからも勉強、経験を重ね、職場や個人活動で科学技術コミュニケーション発展による豊かで安心・安全な社会のために積極的に活動していきたいと強く思っています。

私は、CoSTEPで素晴らしい経験と仲間を得ることができました! 始めるのに遅いことはありません。同輩の皆さん! ビビらずにTryしましょう!

山浦 一晃
稚内地方気象台 防災業務課 防災指導係長