実践+発信

初めてのデザイン「エコTシャツ」

2011.8.17

カテゴリー:Tシャツデザイン
イベント:デザインコンペ
制作者:中村文香(2011年度本科)
制作年:2011年8月


“デザインをすること”に皆さんは、どのようなイメージをお持ちでしょうか。芸術を生業にしていたり、趣味で創作活動をしたりする人達だけの特別な作業。普段、工学院で化学を研究する私にとっては、そのような遠い存在でした。そのようなデザインの世界を覗いてみたかった私は、CoSTEPの授業でデザイン実習を選択しました。そして、初めての実習として取り組んだのが、DUSKIN×Pen エコTシャツデザイン大賞です。

このデザインコンペは、5つのテーマ「身近に未来にエコの種まき」、「くり返し使うエコ」、「みんなで使うエコ」、「減らすエコ」、「捨てないエコ」から選択して自由な発想でエコへの想いをデザインするというコンペです。エコへの想い。エコ活動というと、これまで何かを我慢しなくてはいけないというようなマイナスのイメージがあったように思います。そこで私は、人間関係が希薄と言われている現代に、エコ活動と人間関係を組み合わせてプラスのイメージにできればと想い、「みんなで使うエコ」を選びました。そうして出来上がったのが、下の図に示すデザイン画です。

このデザインのモチーフは世界を一つにという願いが込められたオリンピック・マークです。現在、ベビー用品や旅行用品などの小さなものから、車や家などの大きなものまで様々なものがSHAREされています。このように、ものはもちろん、活動のアイディア自体も文化、民族、人種を超えて世界中でSHAREし、一丸となってエコ活動に取り組む社会。そのような社会を創っていきたいという想いを込めてデザインをしました。

上記のデザインに至るまで、デザイン実習担当の大津先生やメンバーとディスカッションをくり返し、最初のスケッチからいくつもの変更を加えました。変更をする際に、最も大切にした基準は、そのデザインで自分の想いが伝わるかどうかでした。この一連の作業の中、「デザインをすることとは、常に伝えたい想いを軸として持ち、それを他の人に見えるカタチにしていくことである」ということを学びました。このことは私にとっては新鮮な発見でした。そして、「想いを他の人に見えるカタチにしていくこと」は、言葉を発したり、文章を書いたりすることも同じであり、その意味で“デザインをすること”は非常に身近な作業であると気付きました。これからは、このことを意識して日々“デザイン”に励んでいきます。