カフェ前半で紹介した石井哲也さんと児玉真美さんのお話は〈レポート 1 〉、カフェ後半で実施した参加者によるディスカッションの様子や意見・感想の紹介は〈レポート 2 〉をご覧下さい。最後の〈レポート 3 〉ではカフェ終了後に行ったアンケート結果を報告します。アンケートの配布数80件のうち60人に方から回答をいただきました。
胎児の遺伝的検査について
【受け入れられると答えた方の理由】
・実際に調べられる技術があり、検査を希望する夫婦がいる現状で、全面的に否定するのは不条理。
・単なる科学的興味・関心から知りたいと思うから。
・どういう判断を下すにせよ、事前の心構えが必要なこともあるのではないかと思う。
・今後そうした病気になるいうことがわかる事によって、それに対応した子供が育てられる
・健康的な赤ちゃんを産むため、少しでも努力したいと思います。
【どちらかといえば受け入れられると答えた方の理由】
・検査をすることは受け入れられても、その結果をどう使うかが問題に思われます。
・障がいのある子が生まれるとして、その心の準備をしておくことは人によっては必要だと思うから。
・出産を望んでいる場合であれば、先天異常が見つかっても、生まれる前にいろいろな準備ができると考えるので。
・高齢出産の方が増加しているので、リスクを減らしたい気持ちは理解できる。
・避けられるリスクは避けたいと思っていたが、今日の児玉さんの話を聞いて、少し考えたくなった。
・排除を前提として受けたら、受け入れられない。
・中絶にはつなげたくないが、事前準備として知りたい。
【どちらかといえば受け入れられないと答えた方の理由】
・胎児をヒトと考えるから。
・どちらにしても産みたいと考えているから。
【わからないと答えた方の理由】
・生まれてくる子の情報を知りたいという親の気持ちと、もし異常があった場合どうするのかということを考えたら検査を受け入れたくないという気持ちがあり、簡単には決められない。たぶん異常や障害をもった子供の社会的な受け入れ、社会体制、環境が整っていないことが大きく影響している
・まだ妊娠した経験はなく、本当に子を授かった人しか本気で考えられないと思うから。
・まだ自分の考え方がまとまらないからです。
・その時の環境によると思います。
・特に問題なく、妊娠・出産に至ったので、今はしないと言えるが、もし不妊であったり、40歳以上の高齢妊娠であればしたかもしれない。
胚の遺伝学的検査について
【受け入れられると答えた方の理由】
・単なる科学的興味/関心から知りたいと思うから。
・どういう判断を下すにせよ、事前の心構えが必要なこともあるのではないかと思う。
・検査としては、医学の進歩であるので受け入れられます。
・今後そうした病気になるいうことがわかる事によって、それに対応した子供が育てられます。
【どちらかといえば受け入れられると答えた方の理由】
・障がいのある子が生まれるとして、その心の準備をしておくことは人によっては必要だと思うから。
・胚を「ヒト以前」と考えることもありうるかもしれないから。
・中絶にはつなげたくないが、事前準備として知りたい。
【どちらかといえば受け入れられないと答えた方の理由】
・きりがないと思うから。
・検査だけでは終わらないような気がする。人が人を作るようでなんだかこわい。
・どんな結果でも受け入れたいと考えているので、してもしなくても変わらないと思うから。
【わからないと答えた方の理由】
・難しいことだから。
・健康だと思っている人でも、なんらかの発達生涯や疾患があると言われる中で、何か異常なのか健康かを考える機会がもっとほしい。
・検査した結果をどう利用するか、不明な点がこわい。
・まだ妊娠した経験はなく、本当に子を授かった人しか本気で考えられないと思うから。
・まだ自分の考えがまとまりません。
胚や生殖細胞の遺伝的改変について
【受け入れられると答えた方の理由】
・子供がいないので、子育ての大変さや喜びは想像もつかないが、治せるものなら病院に縛り付けられないようにしてあげたいと思う。生まれてからの人生は、いろいろなことが起こりうると思うので。
【どちらかといえば受け入れられると答えた方の理由】
・子供に負担がかからなければという条件付きで。よいこととは思うが、神の領域に立ち入ることになる。積極的になれない。
・生まれた後の治療とどう違うのか、とも思う。
・いろいろな条件をクリアした上で。
【どちらかといえば受け入れられないと答えた方の理由】
・なんとなく。そこまで医療技術が介入してしまうのは恐ろしい感じがする。
・きりがないと思うから。
・人為的改変が世代を超えて伝わるから。そのような人為的改変が生物集団としてのヒトにどのような影響が長期的(世代が複数にわたるくらいの期間)にあるか予想不能であるから。
・世の中に完璧な人間しかいなくなったらどうだろうか?
・影響が一代で終わらない。何を異常と呼ぶか判断できるのか。変化を止めようとすると予期せぬ反作用があるのでは。
・(ミトコンドリア病のように)子供を持てない人にはよいが、普通にはするべきじゃないと思う。
【受け入れられないと答えた方の理由】
・意味のない存在など、私には考えられません。
・生物を冒涜していると思う。
・科学によって、技術によって実施されることに、長期的によくわからないことは受け入れられない。
・ヒトにはそれこまでの権利があるのでしょうか
・遺伝子を変えたら私の子じゃなくなるからです。
・予防のためにということでは、受け入れられない。もしからしたら大丈夫だったかもしれないのに、親のエゴではないかと思う。
・ありのまま、そのままの姿を大切にしたい。
【わからないと答えた方の理由】
・授かった命に異常が見つかるなどの当事者になってみないとわからないかもしれません。想像力が及びません。
・やっぱり考えがまとまりません。
・その時の環境によると思います。
人としての尊厳が生じる発達段階について
ヒトの発達過程で、人としての尊厳が認められるべき段階をどこと考えますか。
【卵子が受精した段階と答えた方の理由】
・現段階で、確認できる生命活動として、人なる「原因」の段階だから。結果として人となると思う。
・受精した時点が生命のもと。
・ヒトとして発生しているから。
・その時点で最終的に人に発達する可能性があるから。
・遺伝子が確定するから
【胚が子宮に着床した段階と答えた方の理由】
・着床した段階で、母体と一緒になるから。
・胚が胎児を生育し始めるステップだから(妊娠成立)
【胎児の心拍を確認できる段階と答えた方の理由】
・ヒトが人として認められるのは、人と同じ姿形をもっていることだと思う。
・心拍があるということで、人間として実感がわくと感じたから。
・自立した命に思えるから。
・それが尊厳である。
【胎児が母体外での生存の可能性を持つ段階と答えた方の理由】
・ここからが個体としての尊厳を持つと考えられます。
【わからないと答えた方の理由】
・3~5のどれかだとは思うが、「精神」はどこから宿るのかわかりません。
・胎児○○週で、△△な状態と言われると、線引きが難しく感じる。
・人の死をどのステージの何で判断するのかと同じように難しい!
・はじめは”ヒト”と“人”に注目して5番を選びましたが、実際に出産を経験している方のお話を聞いてわからなくなりました。
※ 参加者のみなさんの記述のとおり、掲載しました。