2015年10月10日(土)から12日(月・祝日)まで3日間の日程で、CoSTEP11期選科B集中演習が行われました。
今年は、「翻訳」をテーマに掲げ、これまでの選科B集中演習とは少し異なるプログラムで実施しました。
ゲスト講師には、自然科学一般書の翻訳が多数ある翻訳家の屋代通子さんをお迎えしました。
「翻訳」をテーマに掲げた理由は、「科学技術コミュニケーション」との共通性があるからです。
ある専門分野で使われる用語を外国語、日常的に社会で使われる用語を母語と置き換えてみると、関係性がみえてくるでしょう。
この演習は、「ミニレクチャー」「グループワーク」「カフェトーク」という3本柱から構成されました。
新たにとりいれたカフェトークは、文字通り、カフェのように飲み物とお菓子を手に集い、リラックスした雰囲気でディスカッションをするプログラムです。
膝を突き合わせてのカフェトーク
2日目のカフェトークでは、屋代さんに「社会と翻訳」とのテーマでインタビューを行い、受講生のみなさんは、翻訳者の責任や言葉の選び方など、さまざまな角度からこのインタビューをまとめたレポートを書き上げました。
壁一面に、グループごとに作品が張り出され、毎日の成果が一覧できる。
ある日現れた壁新聞式のレクチャー
内村直之先生による朱入れとレビューをもとに推敲
グループ室に現れた熊の手!
受講生のみなさんは、3日間で3本の作品を仕上げました。執筆に執筆した時間と、多様なバックグラウンドをもつ人との間で行われたピアレビューの体験は、きっとこれから学び続けていく上で生きることでしょう。
その日見つけた言葉の数々。これからの執筆に生かせるか。
カフェトーク室の一角。音楽や屋代さんのお仕事、参考書などが用意され、執筆に行き詰った際やグループを超えてのピアレビューの場としても活用されていました。毎日すこしずつ何かが増えていったのがおもしろいところ。
第10レクチャー「著作権について」(内村直之さん)の中で、「ロミオとジュリエット」に着想を得て舞台と時代を移した「ウエストサイド・ストーリー」の話題が出たので、さっそくバーンスタイン/組曲『ウェスト・サイド物語』より「シンフォニック・ダンス」をかけました。
演習最後の個人発表のテーマは、「科学について書くときに、私が語っていくこと」。これも、本歌取りです。