実践+発信

「地図をめぐる冒険オープンストリートマップを使ったまちづくり〜」関連ワークショップ「はじめての人にもわかるマッピング」を開催しました

2015.11.10

「実際にオープンストリートマップを使ってマッピングしてみたい。でも具体的なやり方がわからない…。」

サイエンス・カフェ札幌「地図をめぐる冒険~オープンストリートマップを使ったまちづくり~」終了後のアンケートで、このような意見が数多く寄せられました。そこでサイエンス・カフェ関連企画といたしまして、11月3日、サイエンス・カフェ札幌のゲストである古川泰人さんを講師にお招きし、ワークショップ「はじめての人にもわかるマッピング」を開催いたしました。

まず触ってみよう!

8名の参加者にお集まりいただき、ワークショップが始まりました。まずはオープンストリートマップのおさらいとして、古川さんがレクチャーをおこないました。さまざまな実例が盛り込まれた古川さんのお話によって、カフェに参加した、していないに関わらず参加者のみなさんがオープンストリートマップを身近に感じることができたのではないでしょうか。「みなさんはじめから自転車に乗れたわけではありません。まず触ってみる、転んでみる、ケガする。そうやって自転車に乗れるようになるのです」マッピングも同じことで、まずははじめてみて、わからなくなったらわかる人に聞く。やりながら学んでいくのです。

さあ外に出てみよう!

レクチャーも終り、いよいよパソコンを使って、マッピング…と思ったら、全員で外へ出かけていきます。マッピング素材を集めるマッピングパーティです。(1)工学部方面、(2)医学部方面、(3)イチョウ並木方面、(3)大野池・理学部方面の4つのグループに分かれ、北大構内を散策しました。消火栓の場所、ベンチの場所、記念碑の場所や建物の階数など、マッピングしたいものをそれぞれの視点で見つけていきました。見つけたものは後でマッピングするときのために写真を撮り、紙地図に記入します。参加者のみなさんは普段何気なく見ているものを違った視点で見ることができたようでした。また、天候にも恵まれ、紅葉の美しい時期でもあったため、景色を眺めたり、仲間と一緒に話しながら歩いたりするマッピングパーティのもう一つの楽しさも感じることができました。

いざマッピング開始!

マッピング素材を持ち帰り、いよいよオープンストリートマップを使ってマッピングです。最難関のオープンストリートマップのアカウント取得を全員でクリアし、ポイント(消火栓、ベンチなど)、ライン(道路・歩道など)、エリア(建物など)の3つの基本要素のマッピングの仕方を学びました。いよいよマッピング開始です。

「消火栓はどうやって記入するのですか?」「遊歩道の形はどのようにして直したら良いですか?」参加者の質問が活発に飛び交いながらマッピングが進みました。このような質問に古川さんとともに対応してくださったのは、マッピングをカジュアルに楽しむ道産子マッパー、斉藤勝也さんです。お二人に助けられながら、参加者は実際に歩いて見つけた情報をオープンストリートマップに書き込んでいきました。

「オープンストリートマップでは『source(情報源タグ)』が重要です、Google など転載が許されていないデータを見てかいてはいけません」と古川さんは強調します。source とは、オープンストリートマップにかき込んだ情報をどこから得たのかを明確にするものです。今回は実際に歩いて見つけたものをマッピングしているので、source=survey(調査)となります。世界中の人が自由にかき込み、共有できるオープンストリートマップだからこそ、source が重要なのです。

「集団登山、お疲れ様でした。一人も欠けることなくマッピングをはじめられました。これからもどんどんマッピングしてください」と古川さん。パソコンが苦手でも、地図を読むのが苦手でも、はじめての人でも簡単にマッピングがはじめられました。

(当日マッピングした地点がわかります)

(地図1)

(消火栓の数と場所が反映されました)

(地図2)

(大野池の周りの遊歩道とベンチの位置が反映されました)

(地図3)

(高さ情報が表されるF4マップでは建物の階数と木の位置が反映されました

以下のリンク先ではデモが見られます

http://demo.f4map.com/#lat=43.0758492&lon=141.3419240&zoom=19&camera.theta=55.878&camera.phi=13.97)
(佐々木萌子・北海道大学薬学部5年/CoSTEP 11期生 対話の場の創造実習)