5月14日(土)、まぶしい新緑と花々に囲まれた北海道大学札幌キャンパスの理学部大講堂にて開講式が行われ、2016年度のCoSTEPがスタートしました!
今年度の受講生は87名(本科32名、選科46名、研修科9名)です。その他に博士課程教育リーディングプログラム「物質科学フロンティアを開拓するAmbitiousリーダー育成プログラム」の受講生14名もCoSTEPの講義を一部、受講します。
■開講式
まずは松王政浩CoSTEP代表(理学研究院教授)から挨拶およびCoSTEPプログラムの紹介がありました。
松王政浩 CoSTEP代表(理学研究院教授)
続いて新田孝彦理事(副学長・高等教育推進機構長)が、現代社会における科学技術コミュニケーションの重要性とCoSTEPの役割について解説しました。
新田孝彦 理事・副学長
■開講特別講義 中村 元(はじめ)さんご講演
この日のメインプログラム、水族館プロデューサー・中村元さんによる開講特別講義「水族館に奇跡を起こす −科学を「大衆文化」にする逆転の発想−」です。
CoSTEP受講生への初回講義という位置づけですが、北大教職員・学生はもちろん一般にも公開し、参加者は140名を超えました。
水族館プロデューサーの中村 元(はじめ)氏
ご自身がプロデュースした池袋・サンシャイン水族館や北見市の北の大地の水族館について、本人が撮影したという美しい写真をもとに紹介して下さいました。
中村さんは、水族館が抱えていた立地や予算的なハンデを、様々な逆転の発想で、見事に強みや魅力に変えたことで知られます。そうした斬新な仕掛けの数々を、ユーモアたっぷりにお話してくださいました。また黒板とチョーク、身振り手振りと軽妙な関西弁で、来場者の心をつかむ巧みな話術にもうならされました。
後半は、水族館についての中村さんの信念、哲学を情熱的に語っていただきました。「水族館を、一人ひとりが持つ知的好奇心を刺激し、教養や知識を増やす社会教育の場にしたい。そのためには子供だけでなく、大人が楽しめる工夫が必要。そこで重要になってくるのは、お客さんの立場に立つ「カスタマーズ起点」という考え方である」。
水族館に限らず、あらゆる科学技術コミュニケーションの現場において大切な心構えを伝授していただきました。
■CoSTEP受講生へのガイダンス
特別講義の後は、受講生に向けてのガイダンスです。CoSTEP石村源生准教授より、1年間の学びを意義のあるものにするための心構え、CoSTEPの独自性、プログラムの詳細な解説がありました。
■ウェルカムパーティー
夕方からは、理学部近くのレストランに場所を移しました。パーティ会場のファカルティハウス「エンレイソウ」の周りはこの時期、真っ白な花弁のエンレイソウが咲き乱れています。
立食形式で交流をはかりつつ、CoSTEPスタッフと受講生全員が、一年間の抱負などとともに自己紹介しました。
ウェルカムパーティーはにぎやかな雰囲気の中で幕を下ろし、多様な背景をもつ仲間たちとの最初の出会いの場となりました。
■初回講義「科学技術コミュニケーションの原点と座標軸」(石村源生)
翌日(15日)午前には、石村源生准教授による通常講義「科学技術コミュニケーションの原点と座標軸」が実施されました。
社会における科学技術コミュニケーションの位置づけと望ましいあり方、そして科学技術コミュニケーターが担う役割について解説しました。
石村源生 CoSTEP准教授
■オープニングワークショップ
午後からは「このチームで何が出来るか」 というテーマで、グループごとに科学技術コミュニケーションに関わる新しい企画を作り上げるワークショップが開かれました。初対面の参加者40人が8グループに別れて、わずか90分で企画書を作らなければいけません。
最後には、各班それぞれが自由な発想で考案した企画を、全体に向けて発表しました。ユーモアたっぷりなメンバー紹介で笑いをとったり、プレゼン上手な受講生が多く、会場は大いに沸きました。
今回は実現可能性より、班のメンバーの「やりたいこと」「できること」をベースに考えてもらいましたが、独創的なアイデアも多く、もしかしたら1年後に実現している企画もあるかもしれません。
これから1年間、受講生とスタッフ一丸となって、科学技術コミュニケーションの学びと実践に取り組んでいきます。
応援、よろしくお願いします!