実践+発信

世界が広がったCoSTEPでの1年間

2018.3.31

私は学生時代に海洋生物の勉強をしていました。しかし、現在は科学から離れた生活をしています。「やはり科学と接点を持ちたい、科学を社会に伝えるようなことをやってみたい。でもやり方が分からない」そう思っていた時、北海道大学に社会人も受講可能な科学技術コミュニケーター養成講座があることを知り、迷わず申し込みました。

大阪に住んでいること、科学イベントの実施に興味を持っていたことから「選科A」を選びました。映像学習でどの程度学べるのか疑問でしたが、最初の講義でその不安はなくなりました。CoSTEPのe-learningは、画面越しの人に配慮した内容で、とても見やすく、90分の授業があっという間でした。1年間ストレスなく楽しく授業を見ることが出来ました。私は毎週土曜の午前に前週土曜のe-learningを見ていました。モジュール課題がある際は、日曜に作成提出していました。こうすると映像もためないですし、各締め切りに対して余裕のスケジュールなので、時間に追われることもありません。私は、働きながら、無理ないスケジュールで学ぶことができました。

CoSTEPの講義内容は、様々な分野の先生から学ぶことが出来、とても贅沢な内容でした。科学技術コミュニケーションは一方向でなく双方向のコミュニケーションであったり、関係者や社会を巻き込んで活動をしたりと、自分が考えていたよりも扱う範囲が広く、内容が深いことを知りました。

年に1回の夏の集中演習では、科学技術コミュニケーションに興味がある、様々な分野で活躍されている社会人や北大生の皆さんが集まります。彼・彼女らと班をつくり、イベントを企画、準備、実施をしました。はじめましての挨拶から3日間でイベントを作って実施するので、とても忙しく、毎晩遅くまで話し合い、実施直前まで準備をしました。大変でしたが、各班をCoSTEPの先生方がサポートして下さり、全国の仲間と充実した3日間を過ごすことが出来ました。

この3日間は、すべての時間が生きた学びの時間となりました。知識を伝えるだけではなく、参加者に問いかけ、相互で理解すること大切さ、受け手の立場や気持ちを考えること、限られた時間の中でイベントを作成実行すること、どの段階をとっても学ぶところだらけの濃い時間でした。

1年間のCoSTEPでたくさんの知見や仲間を得ましたが、私は「科学を伝える」ということについて、どのような方法があるのか考えるようになりました。そのうちの1つとして「新しい技術を世の中に伝え、社会をより豊かにする」という観点から、「弁理士」にも興味を持って勉強中です。科学技術コミュニケーションは方法も対象も様々だと学びました。自分なりの科学技術コミュニケーションをこれから実践していきたいと思います。

沖花裕美子(選科A)

学習進学情報サービス営業職