2018年11月9日~11日、JR福島駅前の複合施設「コラッセふくしま」にて第31回日本リスク研究学会年次大会が開催され、企画セッション4「科学とリスク 2つのコミュニケーションのはざまに ~リスコミ教育を通じて~」(11/11 9:00-10:40)において、CoSTEPスタッフの早岡英介、種村剛、池田貴子が発表しました。
本セッションは、竹田宜人さん(横浜国立大学大学院環境情報学府客員准教授/独立行政法人製品評価技術基盤機構化学物質管理センター/日本リスク研究学会リスクコミュニケーションタスクグループ)の呼びかけに応じて、同大の本間真佐人さん(横浜国立大学非常勤教員/北海道大学大学院理学院博士課程/CoSTEP9期本科修了)と松永陽子さん(横浜国立大学博士課程/日本エヌ・ユー・エス株式会社/CoSTEP12期選科修了)とともに企画した合同セッションです。発表者6名のうち、CoSTEPの現スタッフも含めて4名がCoSTEP修了生となり、リスク研究の専門家に対してCoSTEPでの実践による成果を示す機会となりました。
(オーガナイザーの竹田宣人さん)
セッションの目的は、リスクコミュニケーションと科学技術コミュニケーションの関係性や位置づけについて再考・整理することです。初めにオーガナイザーの竹田さんから趣旨説明があり、続いてリスクコミュニケーションと科学技術コミュニケーションの両者が発達してきた背景と差異の生じた理由について、松永さんが考察しました。
(松永陽子さん/CoSTEP12期修了生)
続いてCoSTEPの種村から、科学技術基本計画におけるリスクコミュニケーションの位置づけの変遷を紹介しました。
(種村剛/CoSTEP10期修了生・現スタッフ)
(本間真佐人さん/CoSTEP9期修了生)
本間さんからは横浜国立大学カリキュラムにおけるリスクコミュニケーションモデルを、CoSTEP早岡・池田からはCoSTEPにおけるリスクコミュニケーションの考え方と教育実践の紹介をしました。
(早岡英介/CoSTEPスタッフ)
(池田貴子/CoSTEP10期修了生・現スタッフ)
最後に、科学技術コミュニケーションにおけるリスクの考え方についてディスカッションを行ない、盛況のうちに閉会しました。CoSTEPが福島第一原子力発電所の周辺地域で2013年より行なっているリスクコミュニケーション教育と、化学工場や食の問題等の現場で進められてきた歴史をもつリスクコミュニケーションとを比較し、その差異や共通点、課題について、日本全国のリスク問題の専門家たちと深く議論する良いきっかけとなりました。