●研究室に行ってみよう
北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター
伊藤公人(いとうきみひと)准教授
●セレンディピティ〜科学を変えた瞬間〜
アレキサンダー・フレミング「ペニシリンの発見」
●CoSTEPインフォメーション
インフルエンザなどの人獣共通感染症を克服する〜統合科学実験展示〜
◆研究室に行ってみよう 〜人獣共通感染症センター〜
今回は、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター国際疫学部門の伊藤公人(いとうきみひと)さんの研究室を訪ね、人獣共通感染症について、お話をお聞きしました。取材したのは、CoSTEP6期生の太平佳菜さんです。
左は太平さん、右は伊藤先生
人獣共通感染症とは、インフルエンザのように人と動物のあいだで両方に感染する病気のことです。鳥だけでなく、馬、クジラ、アザラシなど、様々な動物から見つかるそうです。
伊藤先生の専門は獣医学ではなく、工学(情報科学)です。どうしてインフルエンザの研究に、情報科学が重要なのでしょうか?
伊藤公人先生
伊藤先生は、インフルエンザウィルスの遺伝子の変異をコンピュータで予測する研究をしています。
実は、人獣共通感染症リサーチセンターには、工学、獣医学、情報科学、分子生物学など各分野の第一線の研究者が集っているのです。
人獣共通感染症リサーチセンターは、世界でも珍しい、分野横断型の学際的な研究施設。感染症克服という共通のゴールに向かって、日夜 、濃いディスカッションが行われています。
◆北大総合博物館で「人獣共通感染症」がわかる
10月26日(火)から北大総合博物館1階にて、『インフルエンザなどの人獣共通感染症を克服する〜統合科学実験展示』が開催されます。展示を紹介するためのビデオも制作しています。下をクリックしてみてください。
ここでは、インフルエンザやエボラ出血熱といった人獣共通感染症の研究に使われる最先端設備を北海道大学博物館内に展示します。パネル、ビデオ、模型、顕微鏡観察や実験体験を通じ、研究内容を学びます。
人獣共通感染症の発生や流行を食い止めるには、医学、獣医学、薬学、工学、理学といった分野が合わさって、新しい見方で研究と教育を行うことが重要です。この新しい科学のあり方を「統合科学」と位置づけ、その本質に迫ります。
また現場では、感染を予防する正しい知識を身につけてもらうための楽しいゲームも用意しています。
パンデミックすごろく
アンケートに答えてくれた方には、他では絶対に入手できない、超レア?なウィルスストラップがもらえます。インフルエンザとエボラ出血熱の2タイプがあります。
超レア?な携帯ストラップ(左がインフルエンザ、右がエボラ出血熱)
「インフルエンザなどの人獣共通感染症を克服する〜統合科学実験展示〜」
開催期間
2010年10月26日(火)〜31日(日) 9:30〜16:30
2010年11月2日(火)〜3日(水・祝) 10:00〜16:00
(※月曜休館)
この展示は10月25日(月)から始まる『北海道大学サステナビリティー・ウィーク2010』の一環で行われています。サステナビリティー・ウィークは、いつも秋に札幌キャンパスを会場として、シンポジウムや講演会、ワークショップなどを集中的にやるイベントです。プレ開催もあわせると、サステナビリティー・ウィーク全体で30をこえるイベントが企画されています。こちらもお楽しみに!
◆セレンディピティ〜科学を変えた瞬間〜
今回のテーマは、人類初の抗生物質、ペニシリンの発見にまつわるセレンディピティ。6期生として初めて取り組みました。脚本担当は、山口章江さんです。
アレクサンダー・フレミングは青カビから抗菌物質を見つけ出し、アオカビの学名にちなんで、"ペニシリン"と名付けました。
この世界初の抗生物質、ペニシリンの発見は感染症から人類を救い、フレミングはその功績によって、1945年にノーベル生理学・医学賞を共同で受賞したのです。
なお、例によって、今回の話はあくまでも事実をもとにしたコミカルなフィクションです。関係者の皆様?ゴメンナサイ!
セレンディピティの登場人物を演じる3人
司会の石井伸彦さん(左)と太平佳菜さん(右)
今回も収録、お疲れ様でした!