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写真展「足尾銅山日本の近代化を支えた科学技術の光と―」を開催します

2010.9.30

CoSTEPでは、写真展「足尾銅山—日本の近代化を支えた科学技術の光と影—」を開催します。

開催期間: 2010年11月1日(月)〜12日(金)  10:00〜18:00 (平日のみ)

場  所: 北海道大学 エンレイソウ 1階 ギャラリー

2010年は、足尾に銅鉱脈が発見されて400年にあたります。明治政府の富国強兵策のもと、古河市兵衛が足尾銅山を再開発し、古河財閥を築きました。

足尾銅山は当時の貴重な外貨獲得源として積極的に開発されましたが、現在に比べて未熟だった精錬技術や、急激な樹木の伐採によって環境破壊を引き起こし、地域住民に鉱毒被害をもたらしたことは広く知られています。

その一方で、諸外国から足尾銅山に導入された採掘技術や精錬技術は、まさに当時の世界最先端でした。古河鉱業が雇用した専属写真家・小野崎一徳は、足尾銅山の坑道内や関連施設、さらには労働者の普段の生活までも写真に収めていました。

今回展示するのは、小野崎一徳が撮影した写真(未公開も含む)の数々です。現在、足尾銅山の関連施設は次々と取り壊されており、すでに写真でしか確認できないものがほとんどです。当時の採掘や精錬の様子、足尾で働く人々の生活など、大変貴重な写真を展示いたしますので、ぜひご覧ください。

※本写真展は、10月22日(金)開催の三省堂サイエンスカフェの関連企画です。22日のカフェでは、小出五郎さん(科学ジャーナリスト・元NHK解説委員)が小野崎一徳のジャーナリストとしての面を紹介します。こちらにもぜひお出かけください。

※写真は2009年12月に撮影した精錬所(足尾町)。現在はすでに取り壊され、煙突のみが残されています。

※北大構内の古河講堂は、足尾鉱毒事件後、社会の非難を浴びる中で、古河鉱業の顧問も務めていた当時の内務大臣・原敬の勧めにより、帝国大学建設資金を政府に寄付したことで建設されたものです。古河講堂に関しては、こちらをご覧ください。