実践+発信

【デザイン】「エコ」というテーマのもとで,グラフィックデザイン挑戦しました

2011.8.17

今年度,6月から本格的にスタートしたCoSTEPグラフィックデザイン実習。前期の課題は「デザインコンペ」にむけた作品制作,いきなり実践です。教科書を読んで学んだり,グラフィックソフトの使い方やスキルを修得したり,そんな授業はほとんどありません。

取り組んだテーマは「エコ」。ここ数年,何度と使われてきたキーワード「エコ」を,今あらためてどう解釈するか。「エコ」を通してどんな未来を描きたいのか。デザインのコンセプトを考え,言葉にして,イメージに落とし込む作業の初体験です。科学技術コミュニケーションとグラフィックデザインにはじめて挑戦した,4名の本科受講生たちの成果をまとめてご紹介します。

「捨てないエコ」

石井翔太(北海道大学大学院工学院修士2年環境創生工学専攻)

砂時計のガラスの容器を「地球」に,中身の砂を限りある「資源」に見立てました。資源もエネルギーも無限ではありません。砂時計の中の資源を循環させ続ける。消費したモノを,知恵と工夫と心意気で再利用できる形に変え,次の世代に残すことは僕たちの責任です。そして「愛着を持つ!」「大切にする!」「循環させる!」という意志を感嘆符「!」の形に込めました。

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「繰り返し使うエコ」

中西浩崇(北海道大学環境科学院修士1年環境起学専攻)

日本は,これまで「ものづくり」の質の高さから「MADE IN JAPAN」というブランドを作り上げてきました。本デザインでは,そこに「RE」という刻印を押すことで,「もっと良いものに作り直す・作り替える」という繰り返し使うエコに焦点を当てています。「REMADE IN JAPAN」は,次世代の日本の技術を象徴づけることになるエコブランドです。また,東日本大震災から,より良い日本へと復興してほしいという願いも込めています。

「みんなで使うエコ」

中村文香(北海道大学大学院総合化学院修士2年総合化学専攻)

最近では車や家など大きなモノから,ベビー用品やトラベル用品など小さなモノまで,あらゆるモノのシェアリングに注目が集まっています。モノはもちろん,そのような活動のアイディアも世界中で“SHARE”していこうというメッセージをTシャツのデザインに込めました。モチーフは,オリンピック・シンボルです。人種,文化,宗教,世代を超えて“SHARE”の輪を広げる。そのような世界を築いてゆこう,私はそう考えます。

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「エコのタネまき」

小泉絢花(北海道大学電子科学研究所生態物理分野技術補助員)

豊かな四季の中で,日本人は粋な感性と工夫をもって,環境と付き合ってきました。植物を軒先に吊るして涼をとったり,食糧を干して保存し無駄なく食べきったり,まさに合理的で慎ましい生活の手本です。実用的でありながら,同時に五感を癒す効果もあります。このような生活の智慧を並べてみました。

Tシャツ自体を「種」にして,吊して楽しむエコ活動を見直し,広めていこうと思います。

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実際にエコTシャツのデザインコンペに応募しましたが,残念ながら採用には至りませんでした。しかし,「想い」をカタチにするプロセス(実践)を通して「デザイン」の基本を学ぶことができたようです。4名の受講生はこれから「サイエンス・カフェ札幌」の広報にも挑戦する予定です。活躍が楽しみです。

左写真:左から中西さん,中村さん,石井さん,小泉さん