実践+発信

映像デザイン実習「未来を創る森づくり下川町が教えてくれたこと」を制作

2020.3.6

北海道大学CoSTEP映像デザイン実習では、2019年12月5、6日に北海道北部の上川郡下川町を訪れ、映像作品「未来を創る森づくり〜下川町が教えてくれたこと(10分)」を制作しました。

下川町の斎藤丈寛(ともひろ)さん(左端)とCoSTEP受講生

下川町は2003年に北海道の町としては初めてFSC認証(森林環境を適切に保全しつつ持続可能なかたちで生産された木材に与えられる国際認証)をとり、2017年度第1回ジャパンSDGsアワード内閣総理大臣賞を受賞するなど、先進的な取り組みで注目され、移住したい地方ランキングでも常に上位にあがっています。

バイオマスなどエネルギー自立の取り組みで知られる下川町一の橋地区

ドローンによる撮影にも挑戦

エンディングシーンを撮影

北海道大学で森林科学を学ぶ学生がこの町を訪れ、木から得られる恵みを最大限に活かそうとする最先端の林業や、林産加工物の生産現場、木材チップなどのバイオマスでエネルギー自給に取り組む地区などをレポートしました。
彼女らは下川町の現場に入って、何を見て、何を感じたのでしょうか。ぜひ動画を御覧ください。

未来を創る森づくり〜下川町が教えてくれたこと〜(10分)
出演・タイトルデザイン:長澤 愛美 ディレクター:上野 太暉
撮影・編集:早岡 英介(CoSTEP特任准教授)・米田 夏輝・住友 静恵
協力:下川町 制作:北海道大学科学技術コミュニケーション教育研究部門CoSTEP

■制作に参加した受講生たちの感想

・長澤愛美(研修科・14期グラフィックデザイン実習・北大大学院農学院修士1年)

下川町について初めて知ったのが森林科学科の授業で、北海道にいるうちに一度は訪れたいと思っていました。今回の取材で実際に伺えることになったのはとても光栄で勉強になりました。私の研究対象はトドマツなので、特にトドマツ人工林伐採後の枝葉利用のお話は心躍りました。また、林業の現場の人々だけではなく、町民の方々も森林を身近な存在として捉えているように感じました。これは樹木を余すことなく使うために様々な取り組みを行っている下川町だからこそ感じたのかもしれません。

長澤 愛美さん

・上野太暉(本科・映像デザイン実習・北大大学院農学院修士1年)

私は大学で森林について学んでいます。下川町で行われている林業に関する先進的な取り組みとはどのようなものなのか是非知りたいと思い取材に行きました。当日は雪が降る中での取材となったため、撮影は非常に大変でしたが、大きな学びが得られました。特に、FSC認証を取得するための森づくりの話や、1本の樹木を余すことなく有効利用しようとする下川町の取り組みを学ぶことができ、自分の日々の生活と森林のつながりについて考えるようになりました。

上野 太暉さん(中央)

・米田夏輝(本科・映像デザイン実習・北大経済学部3年)

下川町の先進的な取り組みには取材に伺う前から個人的に興味を持っていたため、今回の取材は非常に実りある場となりました。実際に下川町の方々にお話を伺うと、町民みんなで地域の未来を考えて、様々な取り組みを試行錯誤しながら行われているということを感じました。改めて「地域」って面白い。このように感じることのできた下川町取材でした。町民の皆様、ありがとうございました。

米田 夏輝さん(右端) 平野 優憲(まさのり)さん(右から2人目)

・住友 静恵(本科・映像デザイン実習・社会人)

もともと下川町は森林というイメージがあったのですが、樹木に関わる方の取材を通して想像以上に生活の中に浸透していました。家具や食器だけでなく、伐採後の枝葉や加工の際にでるおがくずの活用など、樹木を余すことなく活用することで森が育つ循環型の林業について深く知ることができました。冬は寒い下川町ですが、森林に対する思いは熱い町でした。

住友 静恵さん(左端)フプの森 田邉 真理恵さん(中央)

今回の取材のきっかけは、2018年度CoSTEP修了式公開シンポジウム「地域が耕すサイエンス ~北のまちから始まる持続可能な未来への挑戦~」で奈須憲一郎さんをお呼びした縁から始まりました。CoSTEPでは今後も北海道の地域と連携した企画に取り組んでいきたいと考えています。

NPO法人 森の生活 麻生 翼さん

ロケの後は美味しい鹿肉をいただきました!
下川町の皆さん、本当にありがとうございました