開催期間中は雨が多く、すっきりしない空模様でしたが、チラシやポスターをご覧になった方や散策中にお立ち寄りいただいた方など、連日多くの方々にご来場いただきました。
足尾銅山は日本最初の公害となった「足尾鉱毒事件」の原因であり、多数の被害者を生み出してしまったことは、多くの方々に知られています。今回の写真展では、その足尾銅山が操業されていた当時、最先端の科学技術が導入され、足尾が世界屈指の鉱都であったことを、小野崎一徳(おのざき いっとく・写真左)の撮影による写真を通じて紹介しました。
ご来場いただいた方々から、「教科書には書かれていない歴史を知ることができた」、「明治時代の日本の山奥に、日本初の電車が走っていたなんて知らなかった」など、『知られざる科学技術史に触れた』との声をお寄せいただきました。
科学技術は私たちに便利で快適な生活をもたらしてくれる一方で、思いもよらない被害がもたらされることもあり得ます。足尾鉱毒事件は、その一例といえます。今回の写真展で、多くの皆さんが科学技術と社会について考える機会となることを願っています。
現在、科学研究費補助金の支援を受け、小野崎一徳が撮影した足尾銅山のさまざまな写真をより広い研究に活用できるよう、データベース化を進めています(「足尾銅山の科学技術史を示す写真のデータベース化と環境教育・社会科学への応用の研究」)。