国立研究開発法人科学技術振興機構が運営する「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の採択プログラムの一つ、「地域エネルギーによるカーボンニュートラルな食料生産コミュニティの形成拠点」の事業の一環で釧路で行われたサイエンスカフェin釧路「エネルギートランスフォーメーションを地域からデザインする:SDGsが生み出す地域の価値」に、ファシリテーターとオンデマンドコンテンツを作成するディレクターとして、CoSTEPの奥本と朴が参加しました。
本カフェは北海道の地域資源に合わせた新しいエネルギーミックス、エネルギー変換のあり方を考えるカフェでした。カフェゲストの石井一英さん(北海道大学 大学院工学研究院 教授)はごみを研究して30年、その知見を活用し、普段ゴミだと思われていたものにエネルギー資源としての可能性を見出します。
釧路は畜産業から生まれる家畜排せつ物をバイオガスプラントに活用したり、林業、製造業で生まれる林地残材や水産系廃棄物の活用も検討されています。地域での産業で生まれるごみをエネルギーに活用していく、そんな未来を実現するために、大学、地域、そして市民はどのようにつながっていく必要が合うるのかについて考えていきました。石井さんからは、学術機関と地域が本格的に手を組むことによって、世界で初めてバイオマスのみでエネルギーまかなったドイツのユンデ村の事例が紹介されました。
当日は、よい循環型社会とはどうやって評価していくのか、環境にやさしいけど価格が高い場合、市民の価値観をどう変化させていくのか、といった質問が出ました。
再生エネルギーの選択肢が日本で最も多いと考えられている北海道。一つのエネルギーに頼るのではなく、多様なエネルギーを組み合わせて持続可能なシステムを作り上げる必要があります。地域にどんなシステムがあり、それをどこまで生かすことができるのか、地域の実情とともに新しい科学技術は実装されていきます。