3月21日(祝)、生涯学習センターちえりあを会場に、第1回サイエンスキッチンを開催しました。
「おぉぉ~」「うわぁ~」「すごい!」という声がテーブルのあちらこちらから聞こえます。こんにゃく粉を使って、こんにゃく作りに挑戦するとこんな声が出るようです。
約半年前、「台所にある“身近なモノ”を科学の視点から見るイベントを作りたい」と企画が動き出しました。テーマは、食材、調理方法、調理器具などのジャンルから数多くアイディアが出てきました。その中から、第1回サイエンスキッチンは、「化学反応が五感で楽しめるもの」「単なるお料理教室にならないように」「男性にも興味を持ってもらえる」「子供にも参加してもらう」といった要素を含む“こんにゃく”をテーマに開催することが決定しました。
テーマが決まったとはいえ、スタッフ全員がこんにゃく作りは未経験。年明けから、生イモや粉を使ってこんにゃくを作る実験を行い、満腹になる日々が続きました。
そして当日。9歳から71歳までの男女、計16人が参加してくれました。1グループ4人ずつに分かれ、実験開始です。
まずは、粉を水に溶かす作業です。1.6Lの水に、50gのこんにゃく粉を溶かします。徐々にさらさらだった水が、もったりと重たくなります。このあと45分待たないと、次の工程に進みません。
この待ち時間に、こんにゃくの歴史とぷるぷるの謎について、ミニレクチャーです。
こんにゃくイモは3年かけて育てる
こんにゃくの原料、こんにゃくイモは、5年くらい生きる多年草です。春に種イモから芽が出て、秋に地上部が枯れると、土の中に新しいイモの赤ちゃんができます。次の春に新しいイモから目が出て、前の年よりも大きいイモができます。これをもう1年繰り返すと、収穫できる大きさに育ちます。
こんにゃくの成分は「マンナン」
マンナンはこんにゃくイモの主な成分です。これが、灰などのアルカリ物質と出会うとプリプリとした感触に固まるのです。
凝固剤について
こんにゃくを固めるのに使う凝固剤は、消石灰(水酸化カルシウム)という物質です。昔は、草木灰(草や木を燃焼させた後の灰。カリウムと石灰分を含む。肥料にもなるもの)が使われていました。こんにゃくを固めた後、お湯でゆでますが、これはあくぬき」または「灰汁出し」と言って、石灰分などをお湯に溶かし出しているのです。
お話の後は、いよいよ水に溶いた凝固剤をいれ、練ります。小分けにしたこんにゃくにそれぞれ、青のり、唐辛子、ひじきをいれ、プレーンのものと含め、4色のこんにゃくを作ります。そのあとは、小さく丸めて茹でて完成です。
出来上がったこんにゃくは全員で試食です。
中には「実はこんにゃくは嫌い」という子もいましたが、「こんにゃく作りは楽しかった」とこんにゃく克服へ一歩踏み出したようです。そのほかにも「こんにゃくがイモからできているとは驚き」「食品+科学を実体験できて楽しかった」といった感想が寄せられました。こんにゃくのサイエンスに触れ、”こんにゃく”のみならず、それぞれが感じた発見をお土産に持ち帰ってくれたようです。
ご参加いただき、ありがとうございました。
尚、このサイエンスキッチンの様子は、後日、北海道新聞にも掲載されました。