2022年度のCoSTEPは、71名の受講生を受け入れ、スタートを切ることになりました。
5月14日(土)には、本年度最初の活動である開講特別プログラムをオンラインと対面のハイブリット形式で開催しました。開講特別プログラムは、特別講義・ガイダンス・第一回目の講義・ワークショップの3部構成で行われました。特別講義では、土井善晴さん(料理研究家)を講師に招き、「ハレとケのコミュニケーション~いい塩梅をかなえる日常の視点~」を行い、その後CoSTEPのガイダンス、受講生同士の自己紹介の交流の場を設けました。次の日は川本先生による第一回の講義と朴先生が主体となってオープニングワークショップを開催しました。
特別講義
2022年度は3年ぶりの対面で開催することができた開講特別プログラムでした。人数制限を設けたものの、受講生、申し込みをされた一般の方含め100名ほどの方が来場されました。
また今回、多くの方にお申込みいただいたため、ご応募いただいた方全員にお越しいただくことができませんでした。そのため、アーカイブ動画を公開します。
開講にあたり、CoSTEPの所属する大学院研究推進機構、機構長の山本文彦先生に開講式の挨拶をいただきました。
山本先生からはCoSTEPおよび科学技術コミュニケーションについての解説がありました
講演では土井善晴さんが料理を考える料理学という話題から始まりました。
料理というものが人々の暮らしだけでなく、人類の余暇を生み出したり、人類の体の進化にもつながっていったことが語られました。その後、私たちの身近な和食に主題が移ります。和食は進化ではなく深化をしていく料理哲学。日々の自然を感じ、経験するための料理法だといいます。
後半では、料理におけるクリエーションについて語られました。クリエーションとは何かを付け足す行為では限界があり、まず自分の原点をするためにゼロにして考えてみることが大事だと、土井さんは話します。
その後、フロアからの質問が寄せられました。例えばハレとケの質問には「ハレとケだけでなく、ケ(日常)の中に小さなハレを見つけていくことの大切さ」、栄養学の観点から正解を教える食育で大丈夫?という質問には「作ることを教えることによって自立を促す食育が大事」と、土井さんは答えられました。
特別講演の最後には、CoSTEPが所属するオープンエデュケーションセンター、センター長の松王政浩先生より閉会の挨拶があり、土井さんの講演はまさに科学技術コミュニケーターの理想の姿を見せてもらったという感想が述べられました。
CoSTEPの受講生からは、改めて料理の深さを感じた、科学技術コミュニケーションと料理研究がどのように結びつくのかが懐疑的だったが、講演を聞いて日常を深化させるという視点など参考になる部分が多かった、という意見が寄せられました。
CoSTEP ガイダンス
CoSTEPの1年間、どのように学び、どのように支えていくのか、川本思心部門長よりガイダンスがあり、1年間、受講生を支える教務メンバーの紹介がありました。
また、オンラインと北大をつないで、受講生同士で一言自己紹介タイムを設けました。テーマは「100年後に残したい食事とは?」。それぞれの大切にしたい観点を共有し合い、盛り上がりました。
モジュール1 講義 & オープニングワークショップ
次の日は、モジュール1-1の講義「科学技術コミュニケーションとは何か」が川本思心先生がありました。
また、その後科学技術コミュニケーションを食卓から考えるというテーマ「いつかの食卓」と称したオープニングワークショップを行いました。
こちらも北大会場では対面でのワークショップとしても開催され、オンラインと対面をつなぐハイブリットワークショップになりました。
2022年度、新たな挑戦を始めるCoSTEPの活動、ぜひお楽しみにしてください!