住友裕一(2021年度 本科 対話の場創造実習
/元 北海道立教育研究所附属理科教育センター、現 北海道岩見沢緑陵高等学校教諭)
私が、CoSTEPで科学技術コミュニケーションを学ぼうとしたきっかけを書きます。一つ目は、職場にCoSTEPから送付物が毎回届き、部屋の壁に貼られていたCoSTEP受講生募集の青いポスターに興味を持ちました。二つ目は、私は研究職でありながら自分の自信のある得意分野と言えるものがなく、じっくり勉強できる機会を求めていました。三つめは、ある同年代のアナウンサーに科学コミュニケーションを学ぶためにアナウンサーを辞めた人がいたことです。仕事を辞めてまで深く学びたい学問があるのかと思いました。四つ目は、教育現場では「主体的・対話的で深い学び」が言われています。受講する前は、対話的は何というヒントがほしかったです。五つ目は、科学を通して人とコミュニケーションができるのではと教員時代から考えており、実践するために必要なことを学びたいと思っていました。六つ目は、いつかまた学生として学びたい気持ちがあり、今がチャンスだと考えました。
対話の場実習のメンバー
青いポスターのCoSTEPが気になりホームページで調べると、本科で深く学びたい、なんとか受講できるのでは、まずは出願してみようという気持ちになり勢いで手続きを進めていきました。私にとって良かったことは、上司がCoSTEPの取り組みを理解しており、本科で学びたいことを相談すると快く後押ししていただきました。周りの同僚もCoSTEPに興味を持ってくれて、毎回チラシが届く度にイベントの話題で盛り上がりました。そのような環境があり、水曜日の夜間の演習も受講しやすかったので感謝しています。職場から北大まで距離があったため、水曜日は1時間休みを取って通うことができました。私が出会えた講義や演習の中で最も印象に残っていることは、科学を表現する方法はアート、グラフィック、音や映像などたくさんあることです。受講する前は、科学とアートはどうつながるのか疑問を持っていました。ある先生の演習や講義を通して上手くは説明できませんが、リンクする部分があることがわかったことはとても大きな収穫でした。
サイエンスカフェのポスターの概要文を直している所
対話の場創造実習では、5人のメンバー+古澤先生の6名という少ない人数で様々な壁を協力して乗り越えイベントを作ることができました。イベントを作るのは簡単なことではありませんでした。例えば、サイエンスカフェを運営するにもスライド、ポスター、タイトル、内容や対象などをそれぞれどうするか考えるわけですが、メンバーそれぞれで思いや考えは違いました。それでもチームの良かったことは、じっくり話し合いをして内容を決めることができたことです。お互いを理解し、それぞれの得意分野や特性を活かしながら取り組めたことも良かったことだと思っています。
1年間で科学技術コミュニケーションを学ぶことができ、今後どう活かそうと考えていましたが、4月から高校の理科教員になることが決まりましたので、学校教育の中で今まで学んできたことをどう活かせるか挑戦していきたいです。
サイエンスカフェで作った資料を見せている所
最後に、CoSTEPを目指す人たちへ。CoSTEPでは講義だけでなく、実践の中で経験を積んで自分を成長させることができます。CoSTEP教員は社会人に対しても学生に対しても平等に接してくれます。時には厳しく、時にはほしいアドバイスをもらえたり、陰で支えていただいたり…。社会人も学生に戻れる学びの場です。
CoSTEPに興味を持ってしまったら、ぜひチャレンジすることをお勧めします!
修了式のポスター発表会場にて