丸山遥香(2022年度 選科A/東京農工大学 博士後期課程3年)
受講のきっかけ
私は大学で子供向けの科学実験教室などを企画・運営する学生団体で活動しています。そこで科学コミュニケーションに出会い、将来は科学コミュニケーションに携わる仕事をしたいと漠然と考えていました。科学コミュニケーションとは何か、自分に何ができるかを探したいと思い受講を決意しました。CoSTEP以外にも科学コミュニケーションを学ぶ講座はありますが、学生以外の受講生も多く様々な人々と活動できること、多様な先生方に学ぶことができることに惹かれ、CoSTEPに応募しました。
オンデマンドでも1人ではない講義
基本は東京からオンデマンドで講義を受けましたが、受講生が自主的に企画した“CoSTEPの放課後”や、仲良くなった受講生と週1回ほどzoomで講義について語り合いました。忙しくなると講義動画を見るのをサボってしまいましたが、そんな時は他の受講生とzoomを繋いで同時視聴していました。選科Aは年一回しか演習がなくても、たくさん受講生同士で繋がることができました。
怒涛の3日間集中演習
私たちの班のテーマは“サメのリアル”です。生物を守ることは大事だと思っていても、人間の営みと両立することは簡単ではありません。生物を守りたい人、被害を受けている人など社会には様々な立場の人がいることを考慮し、科学技術コミュニケータとして何を伝えるか、どう伝えるかをよく考えなければならないということは、最も印象深い気づきの一つです。また私は人前で話すのが苦手ですが、挑戦しなきゃ!と思いイベントの進行としてカメラの前に立ちました。CoSTEPには何かに挑戦したくなる雰囲気があります。
札幌遠征した映像制作実習
選科の受講生も参加できる実習に積極的に参加しました。普段動画を撮ることもなければ映像編集をしたこともない、フィールドワークもしない私が、先生方の力を借りまくって雨天の森で映像撮影、編集をしました。たった2日間でも実習を通して映像を撮ることへの抵抗が低くなり、映像そのものにも興味を持つといった変化がありました。新しい興味がどんどん広がっていくのもCoSTEPの学びの魅力です。
さいごに
CoSTEPでの1年は、普段関わらない人と関わる、苦手なことや新しいことに取り組んでみるなど挑戦の連続でした。通常の大学院生活に加えての受講は時間や体力的に楽ではないです。演習や実習で札幌に行くのは、懐が痛いです。でもこの1年は二度とないチャンスだからと、時間やお金をやりくりして活動に取り組みました。修了した今でも、科学技術コミュニケーションとは何か、自分にできることは何かを考え続け、常に考えが揺らぎ、1年前よりもっと色々なことがやってみたくなりました。受講を迷っているあなたが、やり切れるかなと不安だったとしても、きっとたくさんの人や物事との出会いが刺激的で気づいたら1年経っています。未来の受講生の方と活動できることを楽しみにしています。