CoSTEPでは、11月5日(土)に、討論イベント「みんなで話そう、食の安全・安心 〜BSE全頭検査を考える〜」を開催しました。
「遺伝子組換え作物コンセンサス会議」や、ナノ・テクノロジーをテーマにした「ミニ・コンセンサス会議」、地球温暖化問題を考える「世界市民会議」に協力・主催・共催してきた実績と経験をもとに、科学技術コミュニケーションなどの研究者9名とともに、「討論型世論調査」という新しい手法に挑戦しました。
当日は、無作為に選ばれた、150人を超える札幌市民が北海道大学の会場に集合。BSE問題に関するアンケートに回答した後、10グループに分かれての市民どうしの議論を行ないました。
参加者にあらかじめ読んでおいてもらった、BSE問題の概要をまとめた22ページほどの情報冊子と、当日に会場で観てもらった、冊子の内容をコンパクトにまとめたビデオをもとに、グループごとに1時間あまり議論。そのうえで、専門家に答えてもらいたい疑問をグループごとに2つ以内にまとめました。
その後、10グループの約150人が大会場に集まり、合計20の質問一つひとつについて3人の専門家に回答してもらいます。
まず最初は、「これまでのBSE対策」をテーマにグループ討論と全体会を行ない、つづいて「これからのBSE対策」について再びグループ討論と全体会を行ないました。そして最後に、再び先ほどと同じアンケートに回答してもらいます。
このように、適切な情報を受け取り、市民どうしで議論し、さらに疑問点について専門家の意見も聞いたうえで自らの意見を(アンケートに答えるという形で)表明してもらうことで、「熟慮に基づく世論」を抽出しよう、そしてそれを政策決定に活かしていこう ―― これが、討論型世論調査という手法の考え方です。
BSE問題をテーマにした今回の討論イベントは、「科学技術への市民参加に「討論型世論調査」の手法を活かす可能性に関する研究」の一環として行われたものです。この研究の詳細については、CoSTEPとともに主催した「BSE問題に関する討論型世論調査 実行委員会」のウエブサイトをご覧ください。
当日の様子を紹介したスライドショー、会場で上映されたビデオ「BSE全頭検査をどうするか」なども公開されています。