選科A フェイクバスターズ
中田智大・金光由夏・佐々木真喜子・真木勇人・杉原早紀・曽根あゆみ
1.はじめに
今回の集中演習のテーマは「ネットワーク」。私たちの班は、日常で起こりうる「認知バイアス(思い込み)」に注目し、SNSやクイズを通じて日常生活の中で陥りがちなバイアスを紹介するイベントを実施しました。
【メンバーの役割】
運営事務局:真木、中田
企画 :金光、佐々木、曽根
チラシ :金光
アンケート:曽根
演出 :全員
2.企画内容
【目的】
誰にでも「認知バイアス」が潜んでいることへの気づきや行動変容のきっかけとする。
【目標】
日常で流れる情報に対して、RT(リツイート)する前に一歩立ち止まって考える。
参加者に自分ごととして考えてもらうことで目標を達成するため、「SNS上で起こりうる事例を導入として、クイズを用いて日常生活の中で陥りがちな認知バイアスを紹介する」という内容を企画しました。
3.イベント内容
1)はじめに、配信動画からSNSの拡散事例の流れを紹介し、参加者に今の流れの中でどんな問題点があったかを共有しました。
配信動画の様子。参加者には、有名チャンネルの名前を模倣したであろうと思わせつつ、fisy (=胡散臭い)という皮肉を入れました。
動画はこちらからご覧ください!
このツイートが多くのリツイートを得ていることに煽られ、見た人がさらなるリツイートを行う様子を示しました。
2)認知バイアスの紹介として、先ほどの事例から分かるバイアスや4枚カード問題から分かるバイアスを紹介しました。
3)バンドワゴン効果によって、不正確な情報が正しい情報になってしまいかねない危険性と共に、フェイクニュースが流れることで社会や人々の不安を煽ってしまうこと、正確な情報の信頼性が欠けてしまう可能性があることを話しました。
4)最後に、紹介した認知バイアス以外にも多くのバイアスがあることを紹介しました。そのうえで、軽い気持ちでリツイートする前に、まずは正しい情報なのか一歩立ち止まる必要があることを伝えました。また、エンドロール後には冒頭の怪しい動画配信者を登場させて、情報の怪しさについての意識づけを行いました。
4.アンケート結果
33名の参加者よりアンケートの回答にご協力いただきました。アンケートでは、参加者の「バイアスについての認知度・関心度」と、イベント参加後に意識の変化があったか、聞きました。
回答者の属性・バイアスへの認知度・関心度
回答者の属性は女性の方が多く、年代は大学生や大学院生、若手社会人から中堅の方と幅広い層の方がいらっしゃいました。このイベントのテーマとなっている「バイアスについて関心があるか」の質問では、過半数の方が「関心がある」と回答していました。
また、「バイアス(思い込み)について、聞いたことはありましたか」の質問では「聞いたことがありよく知っている」「聞いたことはあるがよく知らない」と答えた方が9割超えと、バイアスにへの関心度・認知度は非常に高いことが分かりました。
イベント後の意識の変化
「イベントに参加して、バイアスへの関心は変化しましたか」の質問では、半分以上の方が変化したと回答していました。自由回答では、「最後にバイアスにもいろんな種類があることを紹介してくれて、自分も知らないバイアスもあることを知って、より掘り下げてみたいと思いました」「例を見てドキッとしたのでバイアスについて調べようと思いました」など、感想をいただきました。
私たちの伝えたいメッセージは伝わったか?
今回私たちは、「情報を拡散する前に立ち止まって考えよう」というメッセージを参加者に伝え、自分事としてとらえて考えてもらうことを企画目標にしていました。実際にどうだったかを確かめるため、「情報を拡散する前に立ち止まって考えてみようと思いましたか」の質問を設けたところ、8割以上の方から「そう思った」との回答をいただきました!イベントで伝えたいことは伝えられた結果となりました。ほか、感想や意見を紹介します。
イベント全体に対する感想・意見(一部を抜粋)
- よくある身近なことでも深く知ることで変化のきっかけになることが分かりました。
- 動画やsnsの画面が凝っていて、とてもおもしろかったです。バイアスを知らない人でも 興味をもつ内容だと思いました。
- 冒頭にSNS拡散現象のロールプレイ、また、その後に体験(クイズ)を挟むことで、 テーマがつたわりやすく、科学になじみのない人にも届きやすいと思いました。
- 実際に世間を騒がせたフェイクニュースの紹介があってもいいと思いました。また、この発表自体がフェイクでないことをどう証明するかということが、じつは問題になるのでないかと思いました。
- いろいろなバイアスについて、もう少し取り上げてもよかったと思いました。
5.イベントを通じて学んだこと
1)作業工程
班全体で支援ができる仕組みづくりの必要性を学びました。一部班員が別作業をしている中で、その力を頼らざるを得ない場面がありました。そういった時は、まず一度手を止めて、困りごとをみんなで共有し、どういった支援が出来るかを話し合えるようにしていきたいです。
2)オンラインならではのコミュニケーション
双方向でのコミュニケーションをとることの難しさを改めて実感しました。内容が啓蒙的になっていたことから、参加者とどのようにしてコミュニケーションをとるか、参加者と参加者をどのようにしてつなげるかを深く詰めることが出来ませんでした。オンラインイベントは引き続き多くの場で開催されることから、参加者から何を引き出すかなど工夫の必要性を学びました。
最後に、参加者の皆さん、先生方や他班の皆さん、ありがとうございました!
6.作業風景
【企画書プレゼン】
悩みに悩んで考えた企画をとりまとめ、プレゼン発表。最初のタイトル案は、「あの天才も間違える!?」でした。
【企画考え中】
2日目、企画も大詰め、各担当に分かれてもくもくと作業をしています。
後ろのモニターに映っているのは、YouTuberの動画一覧リスト。少し(?)胡散臭い動画をチョイスして閲覧していたので、似たような動画がおすすめされるようになってしまったとか…(^^;)
【動画収録!ほんとうのyouTuberみたい!】
動画で勉強した成果を発揮!とてもよい動画ができました~!
編集作業も、お疲れ様でした!
(出演:中田 編集:真木)
→動画、せっかくなので見れるようにしても良いかと思いました
【集中演習お疲れ様でした!】
3日間お疲れ様でした!全員で集合写真!
本記事は、2023年7月17日(月/祝)に実施した2023年 選科Aオンラインサイエンスイベント「ネットワーク」の報告記事の1つです。CoSTEPの選科Aコースでは、全国各地の選科A受講生が札幌に集まり、オンラインサイエンスイベントをいちから作り上げる3日間の集中演習を行っています。24人の受講生が4グループに分かれ、計4つのイベントが行われました。報告書ができ次第、以下のリンクより、ご覧いただけます。他の活動報告もぜひご覧ください。
・選科A活動報告「本当に知りたい3つの言葉」
・選科A活動報告「推しごとノート」
・選科A活動報告「かわいい新エネルギー!? 〜視点で変わる捉え方〜」