2024年1月27~28日に、札幌国際芸術祭 2024(以下SIAF)を鑑賞する共通実習を開催しました。16名の本科・選科からの受講生と、6名のスタッフが参加しました。今回のSIAFは「LAST SNOW」をテーマに開催されており、サイエンスとの接点も多く見られました。対話型鑑賞と、学芸員からの説明を受けながらの鑑賞を適宜混ぜながら進めました。
はじまりは、ビジタセンターでもあるSCARTSから。小川ディレクターからのLAST SNOWのテーマや、200年の旅についての説明を受けてから、SCARTS会場を鑑賞します。
続いて、シャトルバスを使って、モエレ沼公園に移ります。
「未来の運動会」を準備している、モエレ沼公園の学芸員の宮井さんから展示の説明を受けながら、実際競技を体験しました。
地下倉庫で日程限定で公開されたユッシ・アンジェスレヴァ+AATBによる作品《Pinnannousu》。作家が作品を仕上げていくプロセスを体験することができました。
脇田 玲さんの作品を鑑賞中の様子
続いて翌日の28日には、北海道立近代美術館で開催された「1924-2024 FRAGILE[こわれもの注意]」を鑑賞しました。
宮田彩加さんの 《MRI SM20110908》。MRI画像を織物として表現したインスタレーションについて、対話型鑑賞が深まりました。
続いてサテライト会場である札幌市資料館で、アーカイブや「オンラインで『自分だけの雪の結晶』をつくろう」、石原 航による「Comicaroidプロジェクト」を体験しました。
次は未来劇場。「2124 –はじまりの雪–」と題した本会場では、SIAFのご協力でキュレーターの細川さんと漆さんの説明を受けながら、展示を回りました。
CoSTEPで夏の特別授業でゲストとしても登壇していたエイミー・カールさんの《存在の谷からのエコー》、シン・リウさんの《Gleaming Bodies》のほか、環境問題を取り上げた作品や、人間とロボットの間を考える作品など、多様な表現にタイトな時間の中でも、集中して鑑賞しました。
チェ・ウラムさんの《RED》の前で
アート作品ならではの表現にまず、たっぷり浸かる2日になりました。また、アート作品が取り上げるメッセージに科学と一緒に向き合っている問題が多いこと、また用いる方法が科学の手法を用いることなど、アートとサイエンスの距離の近さを改めて感じられる展示でした。また、札幌といいう地域での芸術祭というローカルの文脈を意識することもできました。寒い雪道にも関わらず、集中して参加してくれた受講生の皆さん、ご協力いただいたSIAFの皆さんにも感謝申し上げます。
サイエンスコミュニケーションを学ぶみなさんがどのように鑑賞したかがわかる作品評も、近日中に発表します。お楽しみに!