科学を伝える力を磨く3日間
2024年9月21日から23日にかけて、日本各地から受講生が集まり、選科Bの集中演習を実施しました。この演習は、科学技術に関する情報を一般の方々に分かりやすく伝えるスキルを磨くことを目的としています。
受講生は、科学技術コミュニケーターの役割について、高校生向けの2000字程度の記事を作成しました。3日間の演習を通じて、企画から執筆、推敲までの一連のプロセスを体験し、実践的なスキルを磨きました。
1日目:アイデアの創出と基礎スキルの習得
- オリエンテーションとアイスブレイク
- 自己紹介と相互インタビュー
- サイエンスライティングの基礎レクチャー
- 読者像の具体化ワーク
- 初稿の執筆・ピアレビュー
2日目:文章力向上と相互フィードバック
- イメージの言語化訓練
- グループでのピアレビュー
- 個別執筆作業と教員、受講生同士のアドバイス
- 記事の改訂と推敲
カフェルーム
カフェルームでは、コーヒーや紅茶、お菓子、各地からのお土産などが並んでいて、ほっと一息つきたい人が自由に使える空間でした。また、ワークで執筆した他己紹介の原稿や、執筆段階がわかる原稿、言葉集めの付箋(ことばの木)などを張り出すコーナーがあり、参加者のみなさんがお互いの文章を読んで刺激を受け合っていました。
3日目:仕上げと振り返り
- 最終稿の執筆・ピアレビューと提出
- 「ライティング虎の巻」作成
- 個人の振り返りと共有
- 今後の展望についてのディスカッション
ライティング虎の巻
演習最終日の午後は、グループごとに3日間で得た執筆の心得を「ライティング虎の巻」にまとめて発表しました。
最後の振り返りでは、「あなたにとって書くことは?」というお題に対して発表しました。
受講生からは「他の人の視点を取り入れることで、自分の文章が大きく改善された」「科学を伝えることの難しさと面白さを実感した」といった声が聞かれました。特に、ピアレビューや文章デッサンなどの実践的なワークが好評でした。
科学技術の急速な発展が続く現代社会において、専門知識を持たない一般の方々にもわかりやすく情報を伝える能力は、ますます重要になっています。執筆した時間と、多様なバックグラウンドをもつ人との間で行われたピアレビューの体験など、本演習での学びをご自身の活動分野で活かしていってください。