11月12日(月)、北大の学術交流会館で、ダンボール箱を使って生ごみを堆肥化する「ダンボールコンポスト講習会」が行われました。講師に石塚祐江さん(NPO法人環境り・ふれんず)をお招きし、ダンボールコンポストの方法と快適に続けるためのコツを教えていただきました。
企画したのはライティング編集・実習の受講生
講習会を企画したのはCoSTEP受講生の小高章宏さんです。小高さんを含むライティング編集・実習の受講生は、北大広報誌『リテラポプリ51号』(2013年2月発行予定)を制作しています。その中で小高さんは「北大が地域に貢献するためになにができるか、その可能性を探る」というテーマを掲げ、その取り組み自体をレポートして誌面に紹介するという意欲的な企画に取り組んでいます。着目したのはごみ問題。まず札幌市のごみ問題の現状や本質を探るため、環境NPOや札幌市の環境局、環境科学院の先生、ごみ問題に取り組でいる研究者などへのヒアリングや資料の調査などを行いました。
自分の家で捨てている「燃えるごみ」を思い浮かべてください。そのうち生ごみはどのくらいあるのでしょうか。その答えはだいたい40%です。生ごみは水分が多く、焼却にはたくさんのエネルギーが必要なので、生ごみの減量はごみ処理費用の削減だけでなく省エネにも直結するのです。
生ごみ問題をどうにかしようと決意した小高さん。生ごみ減量のためのダンボールコンポスト講習会を北大で開催することを発案しました。生ごみ減量のムーブメントに北大生も巻き込み、市民の活動に広げていくのが狙いです。
燃えるごみを少しでも減らそう
生ごみを自宅で堆肥化すれば燃えるごみは減り、できた堆肥は園芸などに使えます。カラス害などごみステーションの問題も軽減されるでしょう。野菜くずだけでも堆肥化はできますが、コンポストの微生物も人間と同じように甘いものや脂っこいものが好きで、これらを入れると一気に微生物の活動が活発になり、堆肥化が進むというコツも教えていただきました。しかし、堆肥化の目的は生ごみの減量。「いい堆肥を作るために油を買ってきたり、まだ食べられるものを捨てたりしないでください」と石塚さんは、念を押します。参加者の方からは、「旅行など、留守にすることがあっても大丈夫?」「ひとり暮らしでごみの量は少ないけどできるでしょうか」など、自分の生活に照らし合わせて具体的な質問が出ました。大学内でこのような講座を行うことで、ふだんはごみ問題に関心が薄い大学生にも自分のこととしてとらえてもらう機会になったようです。最後には、自宅ですぐに挑戦できるよう、参加者全員に札幌市が支給しているダンボールコンポストキット(ダンボール箱と土のセット)が配られました。みなさん、コンポスト化に意欲を燃やしている様子。講師の石塚さんによると、大学内でこのような講習会を行ったのは始めてとのことです。
さて、この企画、この先どういう展開を見せるのでしょうか。こののちの小高さんの活躍は、『リテラポプリ 51号』誌上で報告します。お楽しみに。
(本科 野澤笑子)