実践+発信

ライティングを3日間で集中的に学ぶ選科演習

2012.11.30

10月6日(土)〜8日(月)の3日間、選科生向けの演習Bが行われました。

演習Bは、科学技術の非専門家に向けた文章の推敲作業を通して、文章作成の基本から、文章を使ってコミュニケーションを行う際の企画の立て方、取材の方法、インタビューの方法、レイアウト、図版の選び方など、文章作成に関連するスキルを、3日間で集中的に学ぶプログラムです。道内だけではなく、関西や関東など、日本各地から20名の受講生が集まりました。

1日目は文章執筆の基本や企画、取材の仕方、また文章添削のポイントについての講義がありました。その後、4グループに分かれて事前課題として提出していた文章に対するフィードバックを各担当教員から受け、文章執筆へと進みます。自分なりに精一杯書いたと自信を持って提出した文章に、先生からの沢山の赤ペンが入っていることに落ち込みながらも、読み手を意識した文章になるよう、推敲していきます。

2日目は朝8時50分よりインタビューについての講義、その後、実際に2人でグループを組み、インタビューをし合って原稿用紙に相手の紹介記事を書く、という体験をしました。15分というインタビュー時間は長いようにも感じましたが、記事に取りかかってみると足りない情報が多い事に気づき、文章を書くことを意識した情報集めの重要性を実感しました。さらにレイアウトや図版についての講義では、科学的な文章を簡単な図にする体験をし、また、記事を掲載する際に重要な著作権についても学びました。

2日目の昼食後は北大構内散策ツアー。天気が良かったので重要文化財である北大第2農場(モデルバーン)を散策し、執筆や講義で疲れた頭をリフレッシュした後、本格的な文章執筆に取りかかります。教員の指導に加え、受講生同士で添削し合うなど、執筆に熱が入ります。疲れたら選科Bカフェのお茶とお菓子でエネルギー補給。壁には前日の各々の振り返りがポストイットで貼られていて、休憩の時間を使って他の人と気づきを共有することができます。

3日目はいよいよ仕上げの日。朝からグループに分かれて、自分の文章の最終仕上げにかかります。静かに黙々と書き続けるグループ、受講生同士で熱心に議論し合うグループなど、それぞれのスタイルで真剣に文章に取り組みます。3日前までは全く知らない同志だった受講生同士の間にも、苦労を共にするうちに一体感が生まれ、締め切り時間ぎりぎりまでお互いの文章を磨き合いました。

最後には全員で集まり、3日間で得られた学びや気づきを一人一人発表しました。「人に読んでもらうことの重要性に気づいた」、「読む人を意識して文章を書くのは難しかった」、「じっくり添削してもらえてとてもためになった」などの意見が出て、他の受講生が大きくうなずく場面もありました。短い時間でしたが、それぞれの受講生が文章を書くきっかけを得ることができた貴重な時間だったのではないかと思います。 

 

(選科演習 B 太平佳菜)