福島 彩夏/2024年度 本科 ライティング・編集実習
北海道大学大学院 生命科学院 修士1年
研究は楽しいけれど、それを生業にする覚悟はない。でも、科学が好きだから何かしら関わっていたい——そんな思いばかりが先行して、具体的にどうすればいいのかはわからない。典型的な「将来に不安を抱く大学院生」となっていたとき、研究室の飲み会で小耳にはさんだCoSTEPの話。ここでなら何か掴めるかもしれないと思い、その門を叩きました。
毎週の講義では、大学の先生だけでなく、書店やバーの店主、イラストレーター、ジャーナリスト、インフルエンサーなど、豪華な講師の方々が登壇されます。多様な立場から科学技術コミュニケーションを実践する講師陣のお話を通じて、社会における科学との関わり方には無数のアプローチがあることを知り、視野が広がるのを感じました。
また、隔週でおこなわれる演習では、ファシリテーションやプレゼンテーションなど、どの分野でも役立つ実践的なスキルを学びました。これらは、研究生活や就職活動など、今後さまざまな場面で大いに役立つことでしょう。

将来について考える機会をよく与えてくれたのは、実習でした。もともと興味のあったマスコミ業界に近いと思い志望したライティング・編集実習では、実践を通して多くの学びを得ました。
北大祭の取材では、各自が出店やイベントを取材し、ウェブマガジン「いいね!Hokudai」にその報告記事を掲載しました。速報性が求められるため、取材先の目星を付けたらすぐに取材へ行き、終えたらすぐに戻って記事を書く。そしてまた次の取材へ向かう……そんな怒涛の3日間を過ごし、ヘトヘトになりました。しかし、自分の書いた記事に感想が寄せられたときは、情報発信の意義とやりがいが垣間見えた気がしました。
書籍の制作では、実際に出版社と協力しながら一冊の本をつくりました。企画の立案から企画書の作成、内容の選定、取材、執筆、イラスト、さらには出版記念イベントの運営にいたるまで、すべて自分たちで手掛けています。情報発信において、内容を取捨選択し、読者に伝わる形へと磨き上げることの難しさと重要性を知れたのは、本という形をつくるからこそ得られた貴重な学びでした。
▷ライティング・編集実習班が作製した書籍はこちら(2025年初夏発売予定)

CoSTEPでの学びは、どこまでも広がっていて、それを活かせるかどうかは自分の行動次第で大きく変わるのだと、いまになって実感しています。どれだけ熱意があっても、行動を起こさなければ何も変わらないということを、CoSTEPを通じて気付くことができました。
だから、もし、挑戦しようか迷っているのなら、ぜひ飛び込んでみて欲しいと思います。私がこの場所で「科学に関する情報発信に携わりたい」という明確な目標を見つけられたように、あなたもCoSTEPで、新しい未来を見つけられますように。
さいごまで読んでいただき、ありがとうございました。