2025年8月30日/31日にCoSTEP20周年記念イベントを実施しました。総勢で170名以上の科学技術コミュニケーター(サイエンスコミュニケーター)が集まった大規模なイベントになりました。
初日の8月30日は毛利衛さんの講演『「未来智への40年」~北大発科学技術コミュニケーション~』が行われました。「科学技術コミュニケーション」「メディア」をキーワードに10のテーマを取り上げていただきました。


毛利さんの講義後にはCoSTEPフェローによる2つのミニセッションが開催されました。
1つ目のCoSTEPフェロー 西尾直樹さんによる「にしおのごきげんよう!サイエンスコミュニケーターのあるある、言いた~い」では、ご参加の皆さまから集めた科学技術コミュニケーターならではのエピソードをもとに、西尾さんが懐かしのテレビ番組風に軽妙なトークを展開しました。


同時進行で別の教室では宮本道人さんによる「SF for Science Communication:SFプロトタイピングで探るサイエンスコミュニケーションの未来」が開かれました。宮本さんが開発したSFプロトタイピングワークショップを使って、未来の科学技術コミュニケーションを広げます。

そのほか、20周年イベント期間中には、参加者が互いの活動を紹介し合うポスターセッションが開催されました。会場には、CoSTEP修了後に科学技術コミュニケーターとしてさまざまな分野で活躍する修了生のポスターが並び、活発な意見交換が行われました。

1日目の最後には、北大食材をふんだんに使ったBBQ懇親会が開催されました。北大短角牛やザリガニを使ったパエリアなどが提供され、にぎやかな交流の場となりました。


次の日、31日はミニセッションと策定会議を行い、CoSTEP宣言を策定しました。
科学技術コミュニケーションが誰に対しても開かれ、科学では乗り越えられない課題をともに乗り越える寄り添い手であることを、広く簡潔に伝える宣言の策定を目指し、150名を超える科学技術コミュニケーターによる活発な議論が交わされました。
まず午前中は、参加者が「伝える」「育む」「省みる」「つなげる」の4つのテーマに分かれて科学技術コミュニケーションの目的と範囲を議論し、CoSTEP宣言の各テーマの「心得」を作りました。




午後は午前中に各テーマで策定した「心得」を共有し、それぞれの内容について科学技術コミュニケーター同士で意見を交わしました。一口に「科学技術コミュニケーター」といっても、活動の内容や対象はさまざまで、立場が変われば見え方や考え方も異なります。多様な科学技術コミュニケーターの意見を反映しながら「心得」を策定していきました。