実践+発信

「企業における科学技術コミュニケーション事例」2/1 蓑田裕美先生講義レポート

2014.2.19
 学生時代は大学での授業や研究のほかにも、さまざまな講座を受講して科学技術コミュニケーションについて学び、現在は資生堂の研究広報として活躍されている蓑田裕美さん。すっきりと通る声と明るい笑顔がとても印象的で、授業が始まる前から受講生とコミュニケーションが始まっていました。蓑田さんは、受講生一人ひとりに、「CoSTEP修了後はどんな活動がしたいですか」と問います。学びは実行することによって意味があるというメッセージです。

業務で実践していること

 蓑田さんが所属する(株)資生堂では、社会貢献活動として「資生堂女性研究者サイエンスグラント」という女性研究者への研究助成を行っています。蓑田さんの仕事の一つは、こうした研究者の研究内容を紹介するサイエンスカフェを実施し、研究への理解を広めること。お客さんが質問しやすい雰囲気作りをするため、参加者全員で自己紹介をして場をなごませるなどの工夫を取り入れています。

サイエンスコミュニケーション活動を続けるには

 蓑田さんは国立科学博物館のサイエンスコミュニケーター養成実践講座を修了した後、自らサイエンスカフェを企画、主催し実践の場を切り開いてきました。その活動が会社でも認められ今の仕事に就きました。

 活動を広げるポイントは、「やりたいこと」、「できること」、「やるべきこと」を見つけること蓑田さんはいいます。ボランティアでは自分の「やりたいこと」だけでできますが、経営者視点で社会に貢献できることも同時に考えなければなりません。多くの場を作り、理解や共感を広げていき、さらに活動を広げていけるよう、仕事を作っていくのです。

科学技術コミュニケーションでなにを目指すのか
 蓑田さんの目標は「科学の考え方を広めて社会を変えること」だといいます。実生活や政策決定などの場面で選択が迫られたとき、自分の考えを持って、議論・選択できる人を増やしたい。そのために科学の見方を体験してもらう場を作っています。
 そんな経験から、蓑田さんはCoSTEPを修了したあと、いろいろなことに挑戦してどん実践をしてみてくださいと語りかけます。そして「実践は楽しい。自分や周りの特性を見極め、その特性を活かして協力すると成果につながっていきます。自ら手を挙げて仕事を作り出し結果を出せば、できることはさらに広がります」と結びました。
  
蓑田さんが積極的に、活動の場を作り、自分に必要なスキルを見極め、積極的に勝ち取っていった様子を伺えました。さあ、私たちは修了後なにをしましょうか。一緒に受講した仲間たちと、実践の場を切り拓いていきましょう!

(ライティング・編集実習 石橋充子)