そもそも、私が科学技術コミュニケーション活動をしたいと思ったのは、私自身が、最も面白いサイエンスだと感じ、大学院生時代に研究していた「動物行動学・行動遺伝学（特に求愛行動）」について、一般の人に語りたいと思ったからです。そして、この研究を始める前、実は、放送局でTVのレポーターやラジオDJの仕事をしてきた経験もありました。つまり、生意気な言い方をするなら、「話すネタとテクニック」は、CoSTEPの受講生になる前から、持っていました。
そんな私が、CoSTEPに求めたものは、科学を伝える「場」です。特に、高校での出前授業でした。これから進路を決め、社会に出て行く「高校生」に、私の授業を聞いて、生命科学の分野から「命の大切さ」「愛って何？」を、少しでも考えてもらいたい！何かを感じてもらいたい！と、考えていたからです。
札幌市内の2 つの高校で、授業をさせて頂きました。出前授業ゼミで、しっかりご指導いただき、「授業案」をきちんと書いて行いました。出前授業の後、ある生徒から「様々な生物の遺伝子を調べることは、命の歴史をたどることだと思いました」という感想をもらいました。涙が出そうになりました。

本科生修了　一星　礼

生命科学系・研究者