実践+発信

「研究する意味」悩んでいるヤツをみかけたら

2010.2.25

フロンティアに挑戦する研究者(大学院生)は、時として孤独です。しかし私は、CoSTEPでコミュニケーション.スキルを体系的に学び、実践をくりかえすことで、研究=孤独ととらえていた感覚から一気に解き放たれました。 私が参加したプロジェクト実習「消費者を支援する」では、3 回の消費者ワークショップを実践しました。市民の前に立って何かを伝えるとき、求められるのは難解な、もしくは新しい知識ではなく、「市民の素朴な疑問に、期待に答えられること」だと知りました。 その期待に答えられたとき、ただ自分の興味で「研究して」きたことが、「ありがとうね」の言葉となって返ってきます。孤独な研究者だった私は、市民の方々の笑顔に本当に救われました。これまで学んできたことが誰かの幸せにつながる、これが「研究する意味」の一つになる、いま私はそう思います。 突然、かばん一つ持って街に現れ、たくさんの人を科学に巻き込んで、魅了して、そして去っていく。1年間でそんな夢を持ってしまうくらい、CoSTEPには魅力がつまっています。もしこれから、研究する意味に悩んでいるヤツをみかけたら、「研究すると人を喜ばせられるよ」と言ってやります。

本科生修了/坂本 英明
北大大学院農学院修士課程、現在・製薬会社研究員