CoSTEPのことは、北大広報誌のリテラポプリ特別号を手にした時から気になっていました。通常号とは全く違うテイストと、それを受講生が制作しているということに驚いたものです。まさか、後に自分自身が関わるとは思ってもみませんでした。
ライティング・編集実習では、1年に4回発行しているリテラポプリの50号、51号を制作・編集しました。50号では北大の化学の研究を特集し、私は、あの鈴木章先生にお話をうかがうことができました。ノーベル賞の授賞理由に挙げられたクロスカップリングですが、これがわからないことには質問しようがありません。何冊も文献をあたって臨んだ私の質問に、鈴木先生は実に親切に化学式を書きながら説明をしてくださいました。また指導いただいた先生の実務経験が豊富で、取材をした北大博物館では、ページをイメージしながら、背景になる展示品や光の当たり方を考慮して撮影のポイントを組み立てていく様子に感心させられました。
リテラポプリは、年間4回のうち1回だけ、判型やページ構成などの企画および編集のほとんどすべてを受講生が行う特別号を発行しています。こんなに好きにさせてもらって、しかも本を売らなくていいなんて・・・こんな機会はめったにあるものではありません。51号の編集会議では、アイデアを書いたポストイットで部屋の壁が埋まるほどでした。担当する記事が決まると、今度は取材と原稿の執筆です。謎解きをするように次々と課題が現れ、気がつくととてもたくさんの方からお話をうかがっていました。最終的にまとめあげたページは、インタビューの量からするとわずかなものでしたが、1ページを編集するには、その背景にたくさんの蓄積が必要だということを実感することができました。
CoSTEPでは、他にもサイエンスカフェの実習など受講生が協力して取り組む機会が多かったのですが、お互いに異質であることを認め合いながら、各々の得意分野を活かしてチームをつくりあげていく面白さと大切さを感じることができました。最初からうまくいったわけではありませんが、最終的には、大抵のことはチームで解決できるように感じられました。これからも受講生が協力して、何か面白いことができるのではないかとワクワクしています。
最後に、指導してくださった先生、一緒に過ごした受講生の皆さんに心から感謝したいと思います。ありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いします。
- 久道義明
- 札幌市中央区市民部桑園まちづくりセンター所長