実践+発信

想いと言葉にひたすら向き合う

2013.4.1

「このメンバーに出会えてよかった。」

開講式の歓迎会の席で、すでに私はそう感じ始めていました。今もこの気持ちに変わりはありません。

私は「研究開発を支援する」という、科学コミュニケーションの実践ともいえる仕事に就いています。この仕事に就いて数年直面してきた疑問や問題意識を共有できる場所を探し、CoSTEPにたどり着きました。これまでにも他大学や科学館で科学コミュニケーション関連の講座を受講しましたが、CoSTEPは受講生や先生方との距離が近く、実践を重視していることが大きな特徴だと思います。

CoSTEPの課程は想像以上に充実したものでした。講義では各分野の第一人者の方の問題意識や実践事例に触れることができました。毎月のレポートでは受講後どのようなアクションができるかが問われ、自身の問題意識と常に向き合って考える良い機会となりました。秋のライティング演習では、自らの文章について先生方や受講生仲間と議論を重ね、独りでは決して気づかなかった数々の課題が浮き彫りになり、ひたすら課題をクリアしていく作業を繰り返しました。より良い文章を目指すため、仲間たちと文章に向き合った3日間は、今後もうないであろう貴重な経験です。

課程を修了した今、先生方や受講生仲間と出会い、互いの想いや問題意識を共有できたことは、何ものにも代えがたい財産だと感じています。そして、「科学技術は誰のためにあるのか?」「自分ができることは何か?」という問いに、仕事という枠を越え、一個人として向き合えるようになった私がいます。

「CoSTEPの魅力って何?」と聞かれたら、私は「どんな意見も受け入れる器の広さ」だと答えます。科学技術をめぐる課題に一定の答えはありません。しかしその解決に向けて、立場や経験が異なる方の考えを尊重することが基本であることを、CoSTEPの暖かい雰囲気の中で学ぶことができました。

CoSTEPには世代も経歴も異なる多彩な仲間が集まります。志を同じくする仲間と、視野を広げてみませんか。

戸瀬浩仁
研究開発支援機関勤務