カテゴリー:チラシ・ポスター
イベント:サイエンス・カフェ札幌
制作者:阿部万純(2013年度本科)
制作年:2013年8月
チラシのデザインを担当したのは、本科グラフィックデザイン実習を専攻している阿部万純さん(北海道大学生命科学院修士1年)。阿部さんの制作レポートを紹介します。
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つくろう!まちの未来予想図 〜研究者の卵たちと語りあう“参加型手法”〜
いつもよりもっと近い距離、いつもとは雰囲気の違うサイエンス・カフェ札幌。それが今回のカフェの特徴でした。
札幌にすむ人々にとってまちづくりをもっと身近に、気軽に参加するためのウォーミングアップとなるイベントにしよう・・・。そんなコンセプトで企画は進められました。ゲストはまちづくりに関わる4つの異なる分野で学ぶ大学院生たち、カフェのメインイベントはゲストと参加者が札幌の未来について語りあうグループディスカッション。まちづくりへの参加方法は様々であることを伝えるため、多くの壁にぶつかりながらも企画メンバーは新しいかたちのカフェに挑戦しました。グループディスカッションという形式も、ゲストが大学院生であることも、すべてカフェに参加するゲストを含めた全ての人がフラットな立場で意見を交換し、共有するための試みです。私は企画に関わりながらも、このいつもと一味違うカフェをどう表現したらよいのか悩みました。
企画にこめられた想いを知ること
チラシをデザインするにあたって肝となったのは、このカフェがどんなコンセプトでつくられ、メンバーのどんな想いが込められているかを知ることでした。企画の説明を受けただけの時点で考えたデザインはどれもイマイチ。いくらかっこよくて目を引くデザインでも、カフェのテーマやコンセプトと噛みあわなければチラシとしての役割は果たせません。そこで私は企画をよく理解すること、質問や意見をぶつけ積極的に関わることでデザインのヒントを得ようと考えました。その中で、メンバーたち自身のもつ札幌というまちに対する様々な考えをデザインに活かす、というアイディアが浮かんできました。
ミニワークショップ 「まちの未来予想図づくり」 を開催
まちづくりは元を辿ると、専門家たちが白地図上にマーカーや付箋で情報を書き込み、どんなまちにするか計画していくところから始まります。今回メンバーの想いをデザインに取り入れるため、札幌の白地図を背景に、企画者たちの考えるまちの未来予想図をつくってみようというミニワークショップを開きました。企画メンバーのほかにも、グラフィックデザイン班が加わり、札幌の魅力や問題点、まちづくりのアイディアなどをマーカーや付箋、トレーシングペーパーで加えていきました。残念ながら実際のチラシでは全部は見えませんが、この未来予想図にはワークショップに参加してくれたみんなの素晴らしいアイディア、人によっては専門ならではの考察、そしてなにより札幌愛がチラシの枠外にも大きく広がっています。
この実習を通して、デザインの基本的な技術に加えて、目に見える部分だけにとどまらないデザインの深みというものを実感でき、さらに自分の生活の中に新しい見方がうまれる機会にもなりました。指導の大津先生をはじめ、カフェに関わった方々、そしてカフェに足を運んで下さった参加者の皆さん、本当にありがとうございました。