実践+発信

デザインコンペ挑戦

2013.12.31

カテゴリー:デザインコンペ

イベント:Tシャツデザイン

制作者:阿部万純(2013年度本科)

制作年:2013年12月


阿部万純さん(北海道大学生命科学院修士1年)の作品が“日本野鳥の会80周年Tシャツデザインコンペ”で佳作を受賞しましたで入選しました。審査員の下中菜穂さんからは「鳥と文様の絵解きが楽しい阿部さん。」とコメントが掲載されています。http://c05.future-shop.jp/~wildbird/t-design.html

阿部さんの受賞レポートを紹介します。

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みなさんは「つるの恩返し」を知っていますか?では「舌切りすずめ」はどうでしょう。「一富士二鷹三茄子」は?

「野鳥は身近な存在である」。これが今回のデザインにおけるキーワードです。

まずは少し「日本野鳥の会」について説明したいと思います。日本最大にして最も歴史ある自然保護団体、保全と普及を軸に活動しており、合言葉は「野鳥も人も地球のなかま」。その創立80周年を記念する企画のひとつが、私が今回入賞させて頂いたTシャツデザインコンテストです。

9月29日に開催されたサイエンスカフェ札幌でチラシデザインを担当した経験から、もっと実践を積んで力をつけたい!と思い、出会ったのがこのデザインコンテストでした。カフェのチラシづくりで得た自分なりのやり方と、グラフィックデザイン班担当の大津先生や同期から頂いたアドバイスによって、チラシのものとはまた違った自分らしいデザインに仕上げることが出来ました。とは言ってもとんとん拍子に進んだハズもなく、悩んだ時間はむしろ前回より長かったかもしれません。その中でも、私が今回最も成長を感じた部分であるデザインコンセプトが決まるまでについて、簡単にですがご紹介します。

 

 

当初デザインのコンセプトは2つありました。1つ目は「環境と野鳥の調和」、2つ目が「日本人と野鳥の歴史」です。日本の豊かな自然環境を野鳥を通じて学ぶ場を提供してくれるのが日本野鳥の会であり、どうにかデザイン出来ないかと、はじめは1つ目のコンセプトで作業を進めていきました。しかし会の理念を深く知っていくと同時に、ではなぜそのような活動をするのだろうと考えるようになりました。そして、「野鳥も人も地球のなかま」という言葉は、「野鳥がより身近で大切なホームメイトであると知ってほしい」というメッセージなのだという自分なりの気付きを得たところから、2つ目のコンセプトへと移行していきました。そして1行目の問いへと繋がっていきます。「野鳥はずっと前から私たちにとって身近な存在であったことに気付かせたい」。それが、このデザインに込めた私のいちばんの想いです。

 

 

 

今回のデザインでも新しい視点や技術をたくさん学びましたが、前回に引き続き、改めてコンセプトをよく練ることがいいデザインに繋がるということを強く実感しました。そして自分の考えを明確にし、その想いを形にすることはデザインの本質であると同時に難しい作業でもあります。その中で試行錯誤し、相談することで様々なアイディアを得ることが出来たので、これを活かしたい、さらに挑戦したい!という意欲もわいてきました。

最後になりましたが、このような機会に出会い、さらに賞を頂いて他の素晴らしい作品と並ぶことが出来たのはとても幸運で幸せなことだと思っています。日本野鳥の会において選考に関わった方々をはじめ、たくさんのアドバイスと応援をくれた大津先生、デザイン班のメンバーに感謝します。ありがとうございました。