実践+発信

「プレゼンテーション考え方」 6/28 石村源生先生の講義レポート

2014.7.25

今回の講師はCoSTEPの石村源生先生。「プレゼンテーションの考え方」というタイトルで、プレゼンについての基本的な考え方とスキルについての講義です。

石村先生はまず、「あなたはプレゼンが好きですか?」と問いかけ、受講生に挙手してもらいます。プレゼンは好きな方だと答えた人が多いようです。次に「あなたはプレゼンが得意ですか?」と問いかけます。最も多いのは中間くらい。「プレゼンは好きだけれども、得意とまではいかない」という人が少なくないようです。

さて、プレゼンテーションとは、「特定の対象者に対して、何らかの影響を与える目的を持って行う、時間と場所の限定された表現行為」と述べる石村先生。「科学技術コミュニケーションはすべてプレゼンテーションに他ならない」と続けます。それはまさに、科学技術コミュニケーションにおけるどのアウトプットにも等しく当てはまるような定義といえるでしょう。

次に、プレゼンテーションをする際に必要な「3つの理解」に話が進みます。

まず「内容を理解する」ことが必要です。自分自身が伝えるべき内容をきちんと理解していないと始まりません。次に、「自分を理解する」こと。「自分はどんな目的で、誰に何を伝えて、どんな結果を生み出したいのか」理解しなければ、効果的なプレゼンはできないのです。そして、最も大事なのは、「相手を理解すること」。そのためには、「人間の情報処理プロセス」を理解し、「相手の状況」を理解することが必要だと強調します。

「人間の情報処理プロセス」の理解に必要なのは、「分かりやすい説明」ですが、それは言い換えると、相手に代わって「情報整理の代行サービス」を行うことなのです。情報整理を行うためには、情報量を最小化し、情報を構造化する必要があります。そして、「相手の状況」を理解するには、相手の知識や感情、コミュニケーションに使える時間などを考慮しなくてはいけません。そのためのコツをいろいろと伝授してくれました。

さらに、石村先生は、自分の研究内容についてプレゼンするときは、リサーチクエスチョンを的確に相手に伝えることを薦めます。大学院生や研究者は特に参考になるところですね。

最後に、この講義の「テイク・ホーム・メッセージ」です。プレゼンにおいて何よりも大事なことは、「伝える相手に対する想像力を働かせること。そのためには、人間の情報処理プロセスと、相手の状況を理解することが重要」なのです。