実践+発信

かがく探検隊コーステップ 203回:リデュースリユースバイオマス!

2014.9.13
【コーナー】
●留学生に聞いてみよう!
【留学生による留学生取材のコーナー】
●研究室に行ってみよう
【研究者を訪ね、研究内容を伺うこの番組のメインコーナー】
北海道大学大学院工学研究院 環境創生工学部門・環境管理工学分野 循環計画システム研究室
准教授 石井 一英(いしい・かずえい)先生  
____________
◆研究室に行ってみよう
北海道大学大学院工学研究院 准教授の石井 一英(いしい・かずえい)先生   
インタビュアーは、CoSTEP10期生、山口なつきさんと青地絢美さん。
同行したのは同じくCoSTEP10期生のホウ・チュウハクさんです。
「再生可能エネルギー」と聞くと、太陽光や風力といったイメージがあります。石井先生が研究しているのは、「バイオマスの利用」です。そもそも、バイオマスとは何なのか、なぜ普及が進まないのか、お話を伺いました。
バイオマスとは?
バイオマスは身近なものが多くあります。生ごみや家畜糞尿などの「廃棄物バイオマス」、稲わら、麦わら、林地残材などの「未利用バイオマス」、そして「資源作物バイオマス」の3種類です。
例えば、生ごみは堆肥にすることもできるし、空気を遮断した密閉容器に入れると、"メタンガス”を発生し、エネルギーとして利用できます。一般的に、「再生可能エネルギー」と聞くと、太陽光や風力、地熱など「電気を作るもの」を思い浮かべる人が多いようです。一方このバイオマスを利用するには、集める人、変換する人、使う人、事業をする人、地域特性等をうまく働かせる必要があり、時間がかかります。それでも、バイオマス利用には大きな利点があります。それは、電気のみならず「さまざまなエネルギーに変換できる」ということです。北海道で重要なエネルギーは、冬の暖房や車を動かす燃料です。このバイオマスのメリットを、もっと人々に伝えなければいけないと感じています。
      (左:10期生 青地絢美さん 右:同じく10期生 山口なつきさん)
北海道でバイオマスは利用されているのでしょうか?
 北海道は日本で一番バイオマスの利活用ができる地域です。家畜糞尿の処理で困っていた、道東の鹿追、足寄、別海、興部といった地域では、バイオガス化プラントが建設されています。エネルギーを作るだけでなく、町中を漂う悪臭問題も解消されました。
(左から:10期生 山口なつきさん、ホウ・チュウハクさん、石井一英先生、10期生 青地絢美さん)

石井先生は、「糞尿、生ごみは輝かしい資源ですよ!」とユニークな表現で、メンバーを楽しませつつ、バイオマス利用の可能性について、しっかりと説明してくださいました。「でもだからといって生ごみを増やしちゃダメですよ。"2R”が一番大事ですからね」とメッセージをくださいました。生ごみなどはできるだけ減らす(リデュース)、そしてできるだけ再利用していく(リユース)という考え方の2R。メンバーも2Rをかみ締め、できることから始めよう、と確認しあっていました。 石井先生、お忙しいところ、ありがとうございました。

留学生に聞いてみよう!
アメリカ・ノースキャロライナ出身のエリン・パートランさんです。
エリンさんは、活性炭を使って、飲料水の浄化処理の研究をしています。その活性炭研究分野で、最先端の研究をしている、北大の松井教授に学ぼうと、大学の夏休みを利用して、2ヶ月間来日しました。
      (エリン・パートランさん)
好きな食べ物は、北海道のソウルフード「蕎麦」。札幌はとても便利で、日本語があまりできなくても、生活に困ることはないんだとか。買い物は「お金があればできるじゃない」と笑い飛ばします。
      (左:10期生 ホウ・チュウハクさん。苦手な英語でインタビューに挑戦です)
今後は研究者の道を進み「将来はハイレベルな水処理技術を開発したい」という夢をもつエリンさん。夢が叶うといいですね。ご協力ありがとうございました。
番組に対するご意見ご感想をお待ちしています。
radio[at]costep.open-ed.hokudai.ac.jp ([at]を「@」に変えてお送りください)