実践+発信

かがく探検隊コーステップ 204回:正しく怖がるデング

2014.10.11

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【コーナー】
●留学生に聞いてみよう!
【留学生による留学生取材のコーナー】
●研究室に行ってみよう
【研究者を訪ね、研究内容を伺うこの番組のメインコーナー】
北海道大学大学院獣医学研究科 環境獣医科学講座 公衆衛生学教室
准教授 好井健太朗(よしい・けんたろう)先生・博士課程1年 平野港(ひらの・みなと)さん 
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◆研究室に行ってみよう
北海道大学大学院獣医学研究科 准教授の好井健太朗(よしい・けんたろう)先生
               博士課程1年 平野港(ひらの・みなと)さん  
インタビュアーは、CoSTEP教員の滝沢麻理。 
同行したのはCoSTEP10期生の山口なつきさん、青地絢美さん、ホウ・チュウハクさんです。
2014年夏、東京でデング熱の感染者が見つかりました。感染者を刺した蚊が、別の人を刺すことににより広がったデング熱。感染者は、全国各地に広がっていたことも判明しました。
そもそも、「デング熱」はどのようなものなのか、「ダニと蚊が媒介するウィルス」研究が午前門のお二人に話を伺ってきました。
(インタビューには、おもに平野さん(右)が答え、好井先生(左)が補足をしてくださいました。)
デングウィルスはどこから来たのか
デングウィルスは、アメリカ、東南アジア、アフリカ等に分布していて、感染症の中では、分布域の広いウィルスです。ヤブ科属の「ネッタイシマカ」という蚊や、日本にもいる「ヒトスジシマカ」という蚊が媒介します。
蚊が媒介するウィルスには、これまでもデング熱以外にも、マラリア、日本脳炎といったものがあります。
ワクチンはあるのですか
現在企業が開発中ですが、実用段階にはありません。デング熱はウィルスに4種類の型があります。4種類すべてに防御機能がないと、悪化する場合かあるので開発が難しいのです。
一方、ワクチンのある日本脳炎というのは、1種類の型しかないので、それに対応するワクチンがあります。

先生方の研究は

ダニ媒介性ウィルス、日本脳炎ウィルス、ウエストナイルウィルスなどです。最初の2つには、すでにワクチンがあります。

ウィルスの性質を変えることでどのように効果の高いワクチンができるか、どうやって病気を起こしているのか、そのメカニズムを日々研究しています。

今後私たちが気をつけることは
東南アジアに旅行の際には、現地の病気の情報を調べること、そして、その情報のソース(情報源)をしっかり確認するということです。
(後列左から:10期生 山口なつきさん、青地絢美さん、ホウ・チュウハクさん 前列左:好井健太朗先生、平野港さん)
デング熱は、今後も発生するかも知れませんが、そのときには、冷静に情報を得て「正しく怖がる」ようになりたいですね。好井先生、平野さん、ありがとうございました。
突撃となりの留学生
ロシアのサハリンから、語学の交換留学生として北大に来た、シュートフ・アレクサンダーさんです。
日本人の祖父をもつ、シュートフさんは、小学生時代に青森市で3日間過ごした経験から日本に興味をもち、日本語の勉強をしているそうです。「ジンギスカンとカツカレーが好き」というシュートフさん、将来は、日ロ関係の仕事をしたいそうです。がんばってくださいね。
(中央:シュートフ・アレクサンダーさん)
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