わたしは現在、広告会社に勤務しております。仕事柄「コミュニケーション」という言葉には敏感に反応し、クライアントに「コミュニケーションとは何か」を提案してきた立場でありました。
CoSTEPの受講を通して、わたしは今までわたしが考えてきた「コミュニケーション」を一度、きちんと棚卸ができたことは大きな収穫でした。
講義には広報や広告に関する学びがたくさんありますが一般的な広告講座ではなく「科学技術コミュニケーション」という切り口から学ぶことでより新鮮な気持ちで学ぶことができました。
また、現在コミュニケーション現場では重要視されている旧来型の一方通行の情報発信ではなく、「対話」「ワークショップ」などの事例も重視したカリキュラムになっており、新たな発見が多くありました。
講師陣も学術的な見地からの講義もありますが、ほとんどが実践している現場の方の「今行っている事例」が多く、受講生であるわたしも「実際自分が行うにはどうすればよいか」を考えさせられながら講義を毎回受けていました。
講義の中には、リーダーシップやイノベーションといった分野も扱う講義もあり、その幅広さがどんどん視野を広げ、一社会人としては一種の自己啓発にも役立ったのではないかと感じています。
選科Aのメインの3日間の演習は「20分のサイエンスイベントを企画実践する」ものでしたが、本当にやりきる。全国から集まった学生・社会人が夜遅くまで必死に作り上げる。みんな本気。演習終了後には絆で結ばれた仲間になっている。この年齢で、まったく今まで関係がなかった仲間が新たにできたことは人生にとって大きなプラスになったと思います。
学習環境ですがわたしは札幌在住ということもありネット視聴ではなく、北大の教室で講義を受けることが多くありました。北大の学生と講義をうけるのは学生に戻ったようでとても楽しく、学ぶモチベーションの維持につながりました。
また、CoSTEPの教員、サポートスタッフ、講師陣は本当に「科学技術コミュニケーション」を正面からとらえて活動されている方々ばかり。ただ、「教える、教えられる」ではなく、ともに学び合える場づくりを積極的に行っている点はさすが10年の実績のあるプログラムだなと感じるばかりです。
最後になりますが、わたしは、広告会社の人間としてコミュニケーションを学び直したいという動機でCoSTEPを受講しましたが、広告・広報に関わる方もそうでないかたも学びの想いに応えるプログラムであると思います。ぜひ、興味のあるかたはカリキュラムを覗いてみてはいかがでしょうか。
ベネッセグループ 株式会社 進研アド
三上 健太